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万博パビリオンの歩き方

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「2025年の大阪・関西万博って、どんなパビリオンができるの?」 このマガジンは、そんなあなたの疑問を“少しだけ”解消するために作られました。 開幕は2025年4月。海外の国…
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2024年4月の記事一覧

生態系のつながりを体験し、感受性を呼び覚ませ~河森正治プロデューサーの「いのちめぐる冒険」~

万博の8人のプロデューサーによるテーマパビリオン第3弾です! 今回の万博の至る所に掲げられている「いのち」 そもそも「いのち」って一体なんでしょう。 アニメーション監督の河森正治さんは、発展途上国の子どもたちの輝く目を見た時、「いのち」を感じたそうです。(冒頭画像© 2022 Shoji Kawamori/Office Shogo Onodera, All rights reserved.) 「現代人が眠らせている観察力や感受性を呼び起こしたい」 そう願う河森さんが手が

ともに並び、肩を組んで歌って踊ろう!~アイルランドパビリオン~

アイルランド。名前を聞いたことはあっても、行ったことがある方は少ないのではないでしょうか。私もその1人です。そんな私のアイルランドの原体験は、何と言っても2019年のラグビーW杯日本大会! 国花のシャムロックをあしらった緑色の衣装に身を包み、欧州からはるばるやってきた大勢のアイルランドファンを日本の各地で見かけました。スタジアムではハイネケンのビールを文字通り底なしに飲み、代表チームのために作られた特別な歌「アイルランズ・コール」を熱唱する彼ら。あのとき同じスタジアムにいた私

東西文化の集束地を表現「知識の庭」~ウズベキスタンパビリオン~

中央アジアに位置するウズベキスタンは古くからシルクロードを通じて、東西の思想や商業が集まる場所でした。パビリオンは「知識の庭」というテーマで、古くからの文化と現在の技術を体験できる内容になっています。(冒頭のイメージはATELIER BRUCKNER & NUSSLI Switzerland) 外観は伝統的な刺繍や装飾品の模様をあしらっていて、パビリオン内に入ると砂漠のオアシスのような庭が目に飛び込んできます。 展示の目玉となるのは中央部のムービングステージ。来場者を乗せ

食べて、旅して、免疫を高めよう~タイ パビリオン~

東南アジアのタイは高い医療技術や伝統的な診療を求めて世界中から人がやってくる「医療ツーリズム」が盛んだそう。パビリオンが掲げたテーマは「免疫力」です。 木造の大きな屋根が特徴の館内に入ると、免疫力を高める食材や成分を学べる展示が並び、実際に試してみることもできるそうです。 タイ料理にはハーブや健康的な食材がたくさん使われているため、タイの担当者は「タイ料理は世界で最も美味しい薬」と話します。 3月13日に大阪で記者会見したタイ政府の保健大臣は「大阪・関西万博のタイパビリ

共に築こう!持続可能な未来~イギリス パビリオン~

ついに出ました! 今回ご紹介するのはイギリスです。 日本では「イギリス」でおなじみですが、正式名称は「グレートブリテン及び北部アイルランド連合王国」。歴史的な経緯からイングランド、スコットランド、ウェールズと北アイルランドの4つの国がつくる連合王国です。サッカーW杯ではなんと、それぞれの国の代表チームが出場することができます。 イギリスは18世紀半ばから「産業革命」が始まり、世界に先駆けて石炭を動力とする工業化が進んだことでも有名です。19世紀半ばからは「パクス・ブリタニカ