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共同売店の映画をつくりたい

そもそものはじまり

共同売店のことを伝えたいと思った時、写真や文章だけだとなんだか伝わりにくい。もっと臨場感があってその場の空気感が伝わるものがほしい。

…だったら映画じゃない?ということで、映画好きな私はプロジェクト初期から、お腹の中に「映画つくりたい」欲を沸々と抱えておりました。

そんな時に共通の友人を通じて出会った、共同売店について一緒に考えてくれる仲間たち。コロナ禍でしたが、リモートで共同売店の魅力やその果たしている役割の重要性、これからの時代に必要な理由について熱く語りあうようになり、そんな中で映画つくりたいという私の夢を口に出したのでした。

話を重ねているうち共同売店のすごさは分かったけど「やっぱり現場に来て実際に見てみないもらわないと!」となり、タイミングを見計らい、重い機材を抱えて仲間たちが沖縄に来てくれたのです。

伊計島共同売店ツアーの様子を映像で記録

映像制作のプロジェクトメンバー

来てくれたのは、WORKARTSという会社で映像制作だけでなく組織開発や参加型デザインなどもお仕事にしている反町恭一郎くんと、仕事仲間の櫛引康平くん。遠くは北海道、そして群馬から来てくれました。

沖縄のことを映像にするなら、沖縄の人が撮ったほうがいいんじゃないかと思われるかもしれません。たしかにわざわざ内地から来てもらわなくても、他にも映像制作してくれる人はたくさんいます。

でも、特に共同売店を題材にする時、大切にしたいことや守りたい価値観、伝えたい共同売店の姿を、私たちと同じ目線で考えてくれる、そんな仲間と映画を作りたい。一見すると小さな地域の小さな商店でしかない共同売店が果たしている役割の重要性を理解してくれて、そしてどこか自分ごとのようにも感じながらこのプロジェクトを一緒の歩んでくれる仲間…そう考えた時、彼らはそういう存在でした。そう、彼らもすでに「愛と希望の共同売店プロジェクト」の一員なのです。

映像を通じてどんなことを伝えたいのか、映像を作った後のことも一緒に考えてくれる仲間。そんな彼らと約1週間弱、機材を持ってはじまりの地である奥共同店からあちこち巡って、共同売店に関わるたくさんの人に話を聞く取材行脚をしたわけですが、あとで数えてみたら短期間で約30人ほどの人にインタビューしているとわかりました。そりゃ疲れますよね…。

旧名護博物館をさきちゃんにガイドしてもらいました

撮った映像も音声もかなりの量でしたが、それをどんなふうに仕立てるかは何も決まっていません。さぁここからが悩ましいところ…。

映像化するにあたっての悩み

これに関しては、私たちのPodcastで彼らとおしゃべりしてみたのでぜひこちらを聞いていただきたいんですが、まぁとにかく大量にある取材映像をどう繋いで共同売店という多面性のあるものとして伝える一本の映像にまとめるのかに悩みました。

映画化を難しくさせたのは簡単にいうと、「映画作りたい」言い出しっぺの私がどんな映画(ストーリー)にしたいかまでイメージできてなかった、というのが一番大きな要因だと思います(ごめんなさい)。そこも一緒に考えて粘り強く伴走してくれた彼らですが、突破口が開けるまでにかなりの試行錯誤を繰り返してくれました。本当にありがとう…!!

なんとかできた、というかしてくれた

悩みの突破口の一つが、2023年3月に東京ミッドタウン・Design HUBで開催された「公民館のしあさってはデザインのしあさって!?」展でした。

会場入り口。この展示に関わった方々は錚々たるメンバー!

ずいぶん前の話になりますが、2021年に刊行された「公民館のしあさって」という書籍に、私たち愛と希望の共同売店プロジェクトもコラムを書かせていただいたのですが、それがきっかけでこの展示会にも一部参加させていただけることに(公民館と共同売店の関わりはまた改めて記事にしようと思います)。

ここに出展が決まったのを機に、展示物の一つとして、ほっといたら何時間かの映画になってしまいそうな映画をなんと15分の短編映画に美しくまとめてくれたのでした。奇跡!

会場でループ再生するわけですが、立ち止まって見てくれた人が無理なく最後まで見れる範囲で本当に綺麗にまとめてくれました。最後の締まり方とかもぐっときちゃうんだな。

東京ミッドタウン Design HUB、会場の様子
共同売店を紹介するエリア。オリオンビールのケースがアクセントになっています
汗と涙の結晶

短編映画制作のその後

そんなこんなでなんとか完成した短編映画、これはプロローグとしての扱いでして、本当ならばこの続編を作りたいところ…。苦労をかけた仲間たちと続編のプランを考え中ですが、まずは制作に先立つ資金を作らないといけない。

続編の内容を詰めるのが先か、制作資金を集めるのが先なのか(クラウドファンディングとか色々考えました)。全くのど素人なので何もわからず暗中模索していますが、続編のイメージはなんとなく持ちつつ、今のところはこの完成した短編映画をいろんな人に見てもらうことから始めています。見てくださった方たちの反応や声を集めて、それを元に続編の内容を詰めていけたらいいなぁ。<映画を見てみたいよ、という方は一度お問合せください。>

これまで何度か上映会も開催していますので、興味ある方はぜひそちらの記事もご覧くださいね。

ささやかなお知らせ

映像制作だけでなく、今後も私たちの活動が続けられるようにオンラインショップで細々とグッズ販売をしていますが、最近になって「プロジェクトを応援する気持ち」という枠を作ってみました。グッズのお届けではなくドネーションの形になります。

500円〜プランがありますので、「グッズはいらないけど活動を応援したいよ」と思ってくださる奇特な方は、ぜひこちらをご覧ください。

私たちの活動はいろんな人に支えられて実現できています。願わくばこの活動がみんなと一緒に長く続けられますように、そして共同売店が永く続き、そのタネがあちこちに届きますように!


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