見出し画像

共同親権制度に対する深刻な懸念の声を届けても真摯な対応はなく、皆、失望しています。

 共同親権等にならなくても、親であれば、離婚後も、共同で養育をしたら良いのです。共同養育ができるように、婚姻中からきちんと、子の育児にかかわり、子のことであれば夫婦で話し合える最低限の関係性を築けていれば、現行法でも何ら共同養育をすることに問題はないはずです。現に、選択的夫婦別氏制度が進まず事実婚を続けている夫婦・家族は、単独親権ですが、そこには何らの問題もなく、通常の共同養育が行われています。そうした事実をしっかりと認識してください。要は、名前や制度ではなく、本当の意味での子の福祉にかなった共同の養育は、夫婦間の人間関係・信頼関係があるか、ないかの問題なのです。
 
 共同親権という制度ができてしまったらどうしようかと、命の危険を含め、安心・安全を脅かされる子どもたち、当事者の親たちが、本当に声を出せずにおびえています。この状況を、法制審議会、法務局、政治家の皆さんはご存じなのでしょうか。ご存じないと思います。しかし、私たち実務家は、この共同親権の話が持ち上がって以来、たくさんの相談者、依頼者から、深刻な懸念の声を聞いています。この声はパブリックコメントでもお届けしました。しかしそれに対する真摯な対応、反応は、残念ながらいただけていません。皆、失望しています。
 
 共同親権を制度化した場合、現状でも大変な業務量に追われる家庭裁判所の機能不全(の可能性)を、国はどのように考えているのでしょうか。
そして、離婚後の子どもたちの福祉を考えるにあたっては、特に調停や審判、裁判の中で共同親権を決めた裁判所(裁判官)の責任において、この子たちのその後をきちんと監督・フォロー・ケアしていただく必要があります(他国の事例もよくよく見てください)。その担保なくして、共同親権の法制化はありえません。無責任な結果に泣くのは、ほかでもない子どもたちです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?