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協同労働②

カサブランカ…だったかなぁ

前回の続きより
今日こそ本題の「協同労働」について
協同労働のために成立した
「労働者協同組合法」については分かった
さて、協同労働とは
いったいどんな働き方なのか?

新型コロナウイルスの影響による解雇や雇い止めは、10万人を超え、深刻な雇用情勢が続いている。
そうした中で今、改めて注目されているのが「協同労働」である。
一般的な株式会社では、株主が会社に出資をして、経営者が経営方針を決めて、雇われた労働者が働いている。
この協同労働では労働者の一人一人が出資をして、経営方針についても話し合い、みんなの意見を反映させて働いているということなのである。
その出資の額は、一口3万円から5万円ほどからだということで、この協同労働は、グローバル経済が進んで格差が広がる中、この状況を変える可能性があると期待されている。

現在、日本で行われている主な協同労働の業種は、子育てや介護、清掃や物流、そして農業分野などである。
その事業規模は1,000億円あると言われていて、およそ10万人が働いている。
コロナ禍で雇用による影響が続く中、なぜ今、この協同労働が注目されているのか。
まずコロナ禍は、これまで見えなかった、あえて目を背けていたような問題を可視化したというような側面もある。
非正規労働、フリーランスなど、不安定で労働者保護や社会保障が手薄だった働き方が、特に女性や若者、高齢者に驚くほど広がっている。
それが世代を越えた問題になっている状況である。このような労働問題だけではなく、働く意味というのをなかなか見い出しにくくなっている。
これは一般企業で働いている人も同じで、働く意味の空洞化という状況が起きている。
働く意味を見い出しづらくなっている理由として、どんどん分業化も進み、自分がやっている仕事がどこで役に立っているのかというのが、なかなか実感できないということが、大きな影響になっている。そういう状況の中で自分たちで出資して、みんなで話し合って、そして経営に主体的に関わるような協同労働がまさに、社会に役に立ついい仕事をしたいと思っている人たちの感性をつかんだということなのである。

この協同労働、近い将来さらに広がると見られている。
新たに成立された労働者協同組合法のより、これまで協同労働はNPOなどの形で運営されて、扱える事業にも制限があったが、法律面でも整備されたことで、派遣業を除くさまざまな事業を行うことが可能となった。
健康保険や労働保険なども適用されるのである。
協同労働というのは、基本的にエッセンシャルワークといわれるような社会で必要不可欠な仕事だが、そのような仕事の領域というのは非常に多い。
このような仕事というのは、コロナ禍であっても減るどころか、むしろ増えているのである。
協同労働の仕事の現場は増えている。
もしそのような現場が仕事を失ったとしても、協同労働の場合は別の現場で働いたり、自分たちの仲間で仕事を起こしたりすることも行っている。
都市と農村をつなぐマルシェのような活動もあるので、その活動を仕事にしたいという人たちもいる。新たな可能性も見えてきたのである。

一方で課題としては、事業の採算性、経営基盤の安定化が、とても大きな課題である。
エッセンシャルワークの領域の仕事が多いため、必ずしもその経営状況がいいとは言えない。
社会には必要不可欠な仕事なので、エッセンシャルワークが正当に評価されるような制度や、社会が本当に大切だということを心から実感して認めていくような見方も変化していかなければならないのである。
そして賃金については、法律の中で最低賃金は絶対に保障するというようになっている。
労働者保護というのが一つの生命線であるため、ここは法律でしっかり守られている。
協同労働での大事なポイントは、徹底的に話し合い、その話し合いを諦めないということである。
これがある意味、ずっと引きずるような課題と言えるかもしれない。

協同労働は日本だけではなく、EUや南米などを中心に世界30か国以上に広がっていて、労働環境の改善にも活用されている。
アメリカでは、ホームクリーニングが協同労働で、時給がおよそ2倍になった。
インドでは、貧困層の女性が美容ケアを行う協同労働が生まれている。
EUでは、給料の不払いに困っていたフリーランスの演奏家が、協同労働で労働環境を改善した。

グローバル経済が加熱している中、資本主義からの格差社会というのもある。
暴走する資本主義のゆがみというのは、最も弱いところに現れる。
そのような中で、人の助け合いの関係も商品化されていっている。
助け合いの商品化が進められていくと、お金を持っていない人はなかなか助けを求められないという状況になり、どんどん孤立していく。
「ギグワーカー」と言われるような雇用関係がないような働き方である。
単発的な仕事の仕方をしている人、個人の事業主という人たちは、基本的に実際には労働者性が非常に高い。
しかし全然社会保障がないという働き方があり、このような働き方がアメリカだけではなく、日本、世界中でも広がっていっているという状況がある。
同時に協同労働がもし広がっていくと、地域の中で経済が循環していくという可能性もあるので、協同労働の可能性というのは多面的なのである。
協同労働は地域社会の課題の解決にも、力を発揮しているのである。

最後に…
この協同労働が、地域の再生に果たす役割はどんなことだろうか。
高齢者が生きがいを感じながら、地域の問題解決というものの主体になっていくということは、地域にも高齢者にとってもプラスになる。
ただし、それをもって経費削減の言い訳にさせてはいけない。
また地域の産業として農業、再生可能エネルギー、福祉等は、これからも大事な仕事の場所になる。
そして都市への一極集中に何らかの形で見直しを考えている人たち、若い者がいる。
今後それが現実的な選択肢になっていくのである。
自分の生活というのは、あらゆる他者の営みによって成り立っている。
いろんな営み、命の循環の中で人々の暮らしが成り立っているということを忘れかけている。
そのような想像力を取り戻す契機として、協同労働というのは特別な意味がある。
どのような組織であっても、働く意義を感じて人間らしい働き方ができる、そんなことを当たり前のように求められるような社会を目指すのである
今後どういう働き方をしていくのか、それを一緒に考えるというのが、協同労働なのかもしれない。
そして見失っていた価値、つながり、さまざまな豊かさを思い起こすきっかけとなるのである。
※クローズアップ現代より

人間らしい働き方か…
今、人間らしく働いているだろうか?
まるで機械のように働いてはいないだろうか?
賃金だけに囚われていないだろうか?
自分の価値を見失っていないだろうか?
いろいろ人との繋がりを忘れていないだろうか?
既に豊かさを手に入れていることを自覚しているだろうか?

因みに
広島市では地域の課題解決のために行政が協同労働に積極的に関わり、注目されていて、市は、60歳以上の人が協同労働で仕事を立ち上げる場合、100万円を上限に経費を半額まで補助している。

さすが広島市!

今回は働き方について
いろいろ考えるきっかけになった
今までとは違う角度から…

『おまけのお勧め』
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#協同労働 #働き方 #人間らしく #賃金 #豊かさ

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