一室より
モールス信号が途切れることなく送り続ける合図
世界樹の下 スルトの頂 巨大な海嶺の麓
月の裏 境界面の淵
どこにいたって聞こえるよ おはよう
揺り戻るブランコの上に登った時
全てを理解したように叫んだ
夕飯はシチューよ、と言う声が遠のいて近づくうちに
視界は2LDKの一室に収束する
階段を登る疲れた足音
今日もお疲れさま
ふたつ隣のドアが開く音
今日もお疲れさま
明日は何をしようか
無限の世界と地図上の点を行き来する
この上なく幸福な食卓
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