怖かっただけだった
孤独であることは埋められなくて
その深さがずっと怖かった
明日には誰もに忘れられてしまうこと
その呆気なさが怖かった
自分が空虚であって
その現実を知ることが怖かった
全て見透かすような
その君の目が怖かった
そのくせ何も変えようとせず
ただ怯えるふりをするだけの
胸焼けするほどの甘さが
たぶん何よりも嫌いだった
何もかも怖かっただけだった
踏み出すことも
留まることも
認めることも
否定することも
たぶん何もかも怖かっただけ
祈るように
縋るように
今は少し愛せるように
脅えていた背中を
そっと撫でてあげられるように
少しだけ、優しくあれるように
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