彩
翠の小さな石を握りしめて
少女は退屈を潰しながら生きている
バスに揺られ 日常を費消する
手のひらの中の何かに
また別の何かを期待している
碧い小さな石を握りしめて
少年は毎日追われながら生きている
その日その日の食事のために
命をいただき 育み
その手に抱えて暮らしている
赫い小さな石を握りしめて
子どもらは悩みながら生きている
彼らにも社会があって
処世しながら
小さな世界のなかで過ごしている
混じり合う頃に
きっとたくさんの色が生まれるだろう
小さな石ころがたくさん
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