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胡蝶蘭

誰にも邪魔されないように
夜明けとも 夕暮れとも取れる時間に
静かに家を出た

ほとんど誰もいない街の
ほとんど誰も渡ったことのない歩道橋を
ひとりで歩いている

何をしたいのか
もしくは何もしたくないのか
考えるのも億劫で
ただひたすら考えなくても良いように
歩いたり止まったりを繰り返す

もうすぐ朝になるのだろうか
それとも夜になるのだろうか
いったい僕は誰で
みんなどこに行ったのだろうか

夢の中のような世界にいる
僕は夢だったのか
それとも周りが夢だったのか
心地の良い世界にいる

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