斜陽
黄金色に包まれた空気に
ずっと、すっと溶けていたい
窓辺の椅子に腰掛けて
テーブルにコーヒーと煙草
一瞬が永遠に引き伸ばされたかのような
優しくて穏やかで静かで空虚で
だけど確かに、柔らかで暖かい時間
もう二度と会えない誰かに
もう二度と訪れない現在に
永遠に留まっていることができたなら
どれほど幸福だろう
どれほど寂しいのだろう
日が落ちるまでのあと10分
世界で最も愛おしい景色
斜陽に溶けていたい
大気の震える音だけを聞きながら
あなたと一緒に眺めていたい
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