破滅
燃える空を見ていた
いつか来ると皆が言っていた
救いようのないB級映画のラストシーン
あまりにも唐突で笑ってしまうくらい
あっさりと迎えた日
東ではもう既にあちらこちらが崩壊して
直にここにも終わりが来るそうだ
家族の元へ急ぐ人
恋人と寄り添い合う人
自暴自棄に喚き散らす人
泣きながら祈る人
少しでも遠くへと走る人
時速1500kmに抗うことなんて
到底できやしないのに
燃える空を見ていた
何もせずにただ見つめていた
破滅とはなんて美しいんだろう
遠く眩いあれはきっと
瞬く間に何もかも覆い尽くすんだろう
その時何を思うのだろう
恐怖?悲嘆?
それとも未分化の感情、あるいは興奮?
パチンと指がなったとき
いつの間にか辺りは暗闇だった
燃える空を見ていた
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