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リラ

檻の如き白い金網越しに、今年のリラを見た。芝を剥がれた大通公園の土埃に紛れて、香りすら届かない。
北国は、なけなしの春を愛する土地である。例え空費するより無かったとしてもそれでも、切望した季節を蹂躙される謂れは無い。

五輪なるものの有り難みを解する日は、私には一生来ないだろう。

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