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遠きにありて

日記:2024年1月8日

今は、とある地方都市に住んでいますが、以前は東京に住んでいました。

東京を離れてみて、自分でも意外だったのですが、あらためて東京の良さが分かりました。

私は田舎出身者です。
10代の終わりに故郷を離れ東京での生活を始めた時は、その巨大な消費文化に圧倒され、何もかもがまぶしく見えました。
「これが大都会ってやつか……なんて素晴らしい場所なんだ」
そう思いました。

ところが、1年経ち、2年経ち……10年の歳月が流れた頃、都会の消費文化に鈍感になってしまっている自分に気づきました。
何もかもが、いつの間にか「当たり前」になってしまっていた。

東京を離れて地方都市に移住してみたら、再び東京が輝いて見えるようになりました。

「好きな物を職業にすると、それが嫌いになる。
 好きなままでいたいなら、趣味にとどめておきなさい」
という忠告を、時どき耳にします。

また「初恋の人とは結婚できない」というジンクスもあります。

何事も少し距離を置いた方が上手く行く、という先人の知恵なのだと思います。
(もちろん、あくまで経験則、あくまで一般論です。好きな事を職業にして上手く行っている人も、初恋の人と結婚して幸せな人生を送っている人も居る事でしょう)

住む場所にも、似たような事が言えるのではないでしょうか?
ある程度、距離を置いた方が、その土地の素晴らしさが良く分かる。良く感じられる。

ここで一句。
室生犀星(パブリック・ドメイン)の本歌取りをしてみたいと思います。

大都会、遠きにありて思ふもの
たまに行って、遊ぶとこ

あるいは、こんな句も作れそうです。

観光地、遠きにありて思ふもの
たまに行って、遊ぶとこ

#日記
#詩
#こう思う

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