雰囲気にどっぷりと浸る…あるいは飲まれる? 江の浦測候所で自分だけの作品を観測しました(笑)
わかる/わからないの視点で、アート作品の鑑賞スタイルについて、つらつらと綴っています。
先日、大学生の娘と、アート好きの方には評判の『小田原文化財団 江の浦測候所』に行ってきました。こちらの施設は、写真家で現代アーティストの杉本博司氏が
「…もう一度人類意識の発生現場に立ち戻って、意識のよってたつ由来を反芻してみる…」
ために設計されたとのこと。<来場者向けのパンフレットより>
敷地内に足を踏み入れると、新しい施設なのに、何か懐かしい感覚になります。順路は特に指定されていなく、自然を感じて気ままに散策しながら、「作品」と巡り合うという趣向です。
これが歳を重ねた「大人」には大変心地よい感じでして、交通の便が決して良くないところなのに、人気が高いのもうなずけます。自分のペースで回り道をしつつ、来し方行く末に思いを寄せ、それなりきの価値を見つけながら時間を過ごす。人生の満足感を凝縮したような鑑賞体験になりますからね。
私も、雰囲気に浸りつつ、「あぁ、これもいいなぁ」と言いつつ、熱心に写真などを撮っていました。
すると娘が一言
「一体、何撮ってるの? それ立ち入り禁止の印の石だけど」
冬至の日にはここから日の出が一直線上に見えるという《冬至光遥拝隊道》の突端に置かれた石の趣に、何やら勝手な意味を与えて感心していた私が、思わずのけぞってしまうコメント。
確かに、<止め石:この石より先への立ち入りはご遠慮ください>と、事前にいただいた注意のパンフレットにしっかり書いてありました。
こうなるともう、浸るというより、飲み込めれていると言うほうが正しいですね。でもまぁ、この際おバカな勘違いもOKということで、「我に返る」ことなくこのまま飲み込まれたまま楽しむことにしました。
《結界門 生きとし生けるもの入るべからず》
こんなタイトルなどいかがでしょうか…(爆)
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