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元飛込日本一選手が、ドラマホリック!『DIVE!!』第7話を見て書き殴った

この文章は現役ハイダイビング選手(元飛込日本一選手)から見た『DIVE!!』ドラマレポートです。
所々ネタバレや常軌を逸した(頭の悪い)表現が含まれます。
それでもOKであればぜひ最後までお読み頂けると幸いです。

(まとめる関係上、実際の流れてくるシーンとは違う順番で解説する場合があります。また、権利問題対策のため画像も控えめにしていきます...ご了承くださいませ...!)

〜INTRO〜 6話から7話の架け橋

第6話では強化合宿メンバーの選考試合があり、要一と知季が選ばれました。しかし本来であれば順位が上だった飛沫が選ばれるはず。

飛沫は試合直後に腰の怪我によって膝をついていました。MDCの両コーチの判断の下、選考を辞退することに。半分繰り上がりのように選ばれた知季、泣く泣く辞退する事となった飛沫。

7話はそんな二人が坂井家の前で鉢合わせする場面からスタートします。

今回はドラマシーンが多めで選手やコーチ陣などがコミュニケーションを取っている様子が多めの放送回でした。

HiHiJetsや出演している俳優さんのファンの方達へはかなり見応えのあるシーンがたくさんあったんじゃないかと思います。(筆者も微笑ましいシーンはニヤニヤしながら観てました)

津軽に戻った飛沫。戦友との会話で心境は変わるのでしょうか?
3人はプールでの再戦は果たせるのか...!?

飛沫の選択・故郷への帰還

帰宅した知季の前に現れた(出待ち?)飛沫。出会い頭に「ツラ貸せよ。」と言い放ち、これ絶対裏でボコられるやつやん...と思いきや神社で話をする模様。

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突然の呼び出し...

腰の怪我を心配する知季に向かって、飛沫は強化合宿に参加することを後押しします。チャンスを逃すな!と。

そしてダメ押しのように「ここで辞退するなら最初から勝負するな!」と言い放ちます。全くその通り過ぎて言い返すこともできない知季。

しかし知季は『繰上りで選ばれたこと』に対して納得できなかったようで、選ばれたからには飛沫や要一にも互角に戦えるほど強くなることを宣言します。

そして「俺がオリンピックに行く!」とまで言うようになりました。

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知季の精神面での成長が著しい!

「変わったな。」
関心する飛沫には何か安心感すら覚えるような表情をしていました。「津軽のゴー」こと沖津飛沫はここで別れを告げて去っていきます。

そんな飛沫は麻木コーチの机に津軽に帰る旨のメモ書きをのこして東京から去ってしまいました。腰の怪我を理由に療養中だったはず。誰にも相談せず忽然といなくなるあたり飛沫らしいとも言えます。

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飛沫のルーツ


故郷の津軽に戻ってからも練習場所だった海を呆然と見ている飛沫。ルーツともいえる景色を見ながらただ時間が過ぎていく。

唯一の心のよりどころともいえる彼女の恭子との生活を再開し、ありのままの沖津飛沫に戻ったようです。

本来の生活に戻った飛沫。自然体でいられる故郷での描写がリアルです。

○ ○ ○

合宿を経て向かった先は...

ある日、家でくつろいでいた飛沫に友達と名乗る人物が訪ねてきます。居留守を使おうとしますが恭子に押されて出迎えることに。

すると玄関には宮城県での強化合宿に参加していたはずの知季と要一がいました。同じ東北地方ということで合宿直後のオフを使って遊びに来たようです。

予想外の来客に驚く飛沫。飛込以外で3人が揃うのは水着ショッピング以来でしょう。客人が来たとなればもてなすのが常道。4人で鍋パーティーをすることに。

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気になるブツが...

生活感だらけ(意味深)の沖津家に戸惑う知季と要一。それを見て得意げにおちょくる飛沫。ばかばかしいけど男子高校生らしいやり取りになごみます。おちょくる飛沫を(物理的に)なだめる恭子。二人の関係性が垣間見えた瞬間です。

カップル二人での生活模様から飛沫の親族の話に変わります。飛沫の祖父も父も海でのダイブで亡くなっており、それから2人で生活しているとのこと。

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手慣れたものです

以前まではほぼ天涯孤独状態だった飛沫が恭子以外に気を許している。楽しそうにしている飛沫を茶化す恭子。照れ隠ししている飛沫をつつく要一。ライバルの普段は見れない一面が見れて新鮮です。(そんな要一も仕返しされましたが!)

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修学旅行!

鍋を食べ終わり、庭で花火パーティーをする仲睦まじい4人。鬱屈な高校生ライフを送ってきた筆者は青春そのもののような光景を見せられ、眩しさのあまり目が潰れそうになりました。ジェラシー!!

同部屋で寝ることにした男3人。気分はさながら修学旅行です。当然のように恋バナに発展し、チェリー2人との圧倒的な差を突きつけた飛沫。そんなことよりも飛沫は強化合宿のことを2人に聞きたいようです。

ここでも競技者としての経験の差が現れていて、強化合宿という初体験を楽しかったと話す知季、トップ選手の要一は更に先を見据えて、国内で圧倒的王者と目されている「寺本健一郎選手」という『倒すべき相手』を見定めていました。

それぞれ違う立場から経験した強化合宿。その話を食い入るように聞く飛沫。そんな態度とは裏腹に飛込に関してはもうそんなに情熱がない以下のような素振りを見せます。

「俺にはこっちの暮らしの方が合ってるかも。」

あんなにオリンピックへの執着を見せていた飛沫が今は2人を応援するまでの落ち着きを見せます。腰の怪我という挫折を経験して心境の変化があったのは間違いない。しかしこんなにも闘争心を見せない飛沫はなんだか不自然なようにも思えます。

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もう会えないのか...?

合宿組2人を送り出す飛沫。もう戻らないかのような言い草で別れようとします。しかし知季が本音を伝えます。

「やっぱ俺、もう一回みんなと飛びたいよ。」
「あんなに楽しかったのも初めてだし、あんなに悔しかったのも初めてだし...」

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例のブツ

更に追い討ちをかけるように、要一が麻木コーチから預かっていたものを渡します。そこには『沖津白波 1964』と書かれたDVDがありました。オリンピックを目指す条件として提示していた例の件はこれの事だったのでしょう。

2人の対話を半分はぐらかしていた飛沫ですがここにきて大きな揺らぎが見えました。気持ちとDVDを渡して知季と要一はまた東京に戻っていくのでした。

○ ○ ○

コーチ陣の語り合い・情熱の炎の行方は?

知季と要一が合宿に行っている間、一つの区切りとして指導者3人(富士谷コーチ・麻木コーチ・小宮トレーナー)が飲み会をしている場面が挟まります。

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コーチ同士のコミュニケーション

勝手に故郷に帰った飛沫を一度は放っておくと言った麻木コーチ。しかし内心ではいろいろな心境が渦巻いていたようです。

麻木コーチがなぜ飛沫の腰の怪我を把握していながらもそのまま飛ばせたのか?この問いに対しては「飛込を好きになってもらいたかった。」という狙いがありました。

いくら才能があっても、自分の中から自然と込み上げる情熱無くしてトップになれるほど競技は甘くない。

誰かに見てもらい、賞賛してもらう喜びを感じてもらいたくて多少無理してでも飛ばせる判断を麻木コーチは下しました。そうすれば腰の怪我と折り合いをつけながらやっていけるのではないかと。

「自分の演技で観客の心が動く、あの例えようのない喜びを。」

この感覚は飛込競技の面白さの大きな割合を占めている部分じゃないかと筆者は考えています。個人的にも何度か経験したことがあるので大いに同意できます。

試合という大舞台、演技がスタートして構えている時の静粛さ、演技が成功して一変、自分の演技を見ていた観客を沸かせるあの爽快感。歓声。今思い出すだけでもゾクゾクするほどです。

この感覚を一度味わえば飛込競技の虜になること間違いなしです。

しかしこの経験を充分に感じてもらう前に飛沫が帰ってしまった事により、コーチ失格だと自責する麻木コーチ。

しかし富士谷コーチは違いました。飛沫に宿る可能性を確信しています。

「沖津飛沫の炎は消えていません。私にはわかるんです。奴の瞳の奥にある...」

要一と鎬を削った飛沫を富士谷コーチは見逃していなかったようです。しかし、詳しく話すかと思いきや途中で静止して深酒を理由にそそくさと帰ってしまいました。熱い話ほど実際に話すとなると恥ずかしくなるものですよね。

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照れ隠しのようにそそくさ...

残った麻木コーチと小宮トレーナで飲み会は続きます。すると酔いが回った麻木コーチが珍しくしおらしい一面を見せます。見逃さなかった小宮プロはしっかりとフォローに入ります。

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凸凹コンビ

選手とのコミュニケーションについて小宮トレーナーが話すシーン。小宮トレーナーの貴重な真面目シーンです。

「恋愛と一緒なんちゃう?」
「俺らができることは相手を信じて待つことだけや」
「その想いが伝わって初めて向こうもこっちを信じる。恋愛と一緒や。」
「大丈夫やって、あんなにまっすぐ向き合ってたんやから、きっと届いてるよ。」

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髪おろし小宮プロ

これは小宮プロですわ。日頃ふざけてる人が急に真面目なこと言うと印象がガラっと変わります。これがギャップですね!

麻木コーチから珍しくお礼を言われてすかさず調子に乗り始める小宮プロ(笑)。コーチ達も日々奮闘しているのがわかる素晴らしいオリジナルシーンでした。

○ ○ ○


衝撃の連続!友と恋人とオリンピックと。

合宿が終わり通常の練習に戻ったMDCの選手達。練習中の選手達に富士谷コーチが突然集まるように指示します。

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突然の集合

話の内容はオリンピックの代表選手が決まったという突然すぎる報告でした。本来であれば次の代表選考会で決定するはずだった代表権が前倒しで確定したとのこと。

日本水泳連盟の方針変更により本来の選考を行わずに決める異例の事態。選ばれたのはなんと要一でした。

選ばれた喜びよりも先に疑問が先に浮かんでくる要一。積み上げてきた実績はあるものの『勝ち取った』という感覚が無いままの代表決定に戸惑いを隠せないでいました。

同時にオリンピックに向けて走っていた知季の夢は潰えた事になります。

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どういうことなの...

訳のわからないまま取材を受ける要一。サラブレッドとしてのネームバリューと期待からの選考に納得がいかず、不完全燃焼な状態のようです。結果を出すことに専念するように進言する麻木コーチ、MDCの存続も決まったことを伝える富士谷コーチ。

当の本人が納得いかないままこのまま進んでいくのでしょうか...?

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飛沫の宣言は...

場所は変わり沖津家で話し合う飛沫と恭子。そして飛沫が今の心境を打ち明けます。

津軽に残り、高校を卒業して漁師として恭子と暮らしていく事を決めたようです。(これは実質プロポーズでは?と思いつつ)自信に満ちた顔で恭子を抱擁する飛沫。

恭子はなんとも言えない表情で...

○ ○ ○

はたまた場所は変わり知季とレイジが練習から帰っているシーン。
すると背後から勢いよく陵が2人に突っ込んできました。

実は選考会以降の練習に量は参加していないことがあった様子です。
お調子者だった陵がいきなり改まって話をし始めます。

「俺、今日で飛込辞める事にした。」

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突然すぎる決別

突然の独白に固まる2人。陵自信も才能がないと自覚してしまったこと、知季に追い抜かされた時も悔しいと思えなかったこと、完全に心が折れてしまったことを陵らしく打ち明けました。

陵の性格上このまま続けられない。そう判断して辞めるに至ったようです。友達惜しさだけでは続けられない。寂しいけど間違った判断ではないと思います。

なんとか去り際に激励して去っていく陵。その背中を見届ける残された2人。

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もう...会えない...?

「俺たちの競技ってさ、なんでみんなで喜べないんだろうな...」

個人競技の宿命でもある辛く現実的なシーンでした。
当たり前の事ですが、スポーツの世界では勝敗がある。誰かが勝てば誰かが負ける。誰かが泣けば誰かが笑う。敗北のリスクを負わないためには勝負の場から降りるしかない。

誰もがみんな勝利を得られるわけではない。だから競うことに価値が生まれると筆者は考えます。

これも要一が経験してきた孤独であると知季も感じたでしょう。

○ ○ ○

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!!!!!!!!!!!!!!!!

心を抉られる様なやりとりの直後、街灯の下で抱き合う2人が知季の前に現れます。

その2人は弘也と未羽でした。もうやめて!知季のHPはゼロよ!

確かにちょくちょく挟まる弘也と未羽のシーンや知季のずさんな対応は目にあまるモノがありました。しかし!今じゃない!このタイミングでの発覚はつらいを通り越して痛い...!!

衝撃の連続。知季の心はこれからどうなってしまうのか!?7話はここで幕引きとなりました。

まとめ

津軽に帰った飛沫と合宿を経てまた強くなった知季と要一。

このまま順調にいくかと思いきや、友達や恋人からの衝撃的な出来事に知季はまたもやメンタル波乱の予感!

要一のいきなりの代表決定に心が追い付かない様子。このまま切り替えてオリンピックへの道を進むのでしょうか?

飛沫の津軽に残る宣言。それを聞いた恭子はなにやら腑に落ちない模様。このまま飛込から離れていくのでしょうか?

主人公3人がそれぞれ分岐点に立たされた第7話。また3人が揃って競技はできるのか!?

第8話で見届けましょう!

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