最近読んだ本 2020秋

読了した本がたまってきたので簡単な感想まとめておく。ブクログの読書メモにも書いてあるんだけどあまりにも殴り書きなので…。

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✳︎ビジネスエリートのための世界5大宗教入門 山中俊之

昔から本を読むのは好きなんだけど、99%小説しか読んでなくて、たまには小説以外の本も読もうと思いたって買ってみた。これまでも自己啓発本的なものとかを買ったことはあるんだけど、興味がなくてすぐにやめてしまったので勉強にもなるし興味があるもの…と選んだ。興味のあるところから読んでも大丈夫な本だったので、読みやすいところから読んだけどちゃんと最後まで全部読めた。

内容としては思ったよりビジネスマン向けの話も多かったけど、超ざっくりと各宗教の信仰の話とか、横のつながり、縦のつながりが分かりやすく書いてあった。知識ほぼゼロから読んだのでおおまかな縁取り(?)を知ることができてよかった。大多数の日本人のように私は日常生活においてあまり宗教を意識したことはなかったんだけど、一神教の話を読んでると、あぁ、私の中には知らないうちに仏教や神道が根付いていたのかもなと思った。千と千尋の神隠しで各地の神様が温泉に入りにきたり、そもそもハクが川の神様だってことを普通に受け入れているのは日本人だからなんだな…とか。外国の人たちはあの湯屋のお客さんたちをなんだと思ってるんだろう…ポケモン的なものとでも思ってるのかな…気になる。


✳︎むらさきのスカートの女 今村夏子

本屋さんでなんか面白そうな本ないかなーとうろうろしてたら新作の棚に飾られていたこの本のタイトルにどうも惹かれて手に取ってしまった。この時点で私はすでにむらさきのスカートの女が気になってしまっていた。
最初の10ページくらいでむらさきのスカートの女は一体どんな女なんだ?!とめちゃくちゃ気になって、もっとむらさきのスカートの女のことを知りたい、早く読み進めたいと思っていたけど、語り手の女が肉屋のショーケースぶっこわして借金作ったところで、いや、そもそもこの女のほうがヤバくないか?!と気づいてからわたしの頭のなかは「黄色いカーディガンの女」でいっぱいになり。むらさきのスカートの女を見ている黄色いカーディガンの女のことが気になってしょうがなかった。
最後に公園の子供に肩をタッチされたことで、この女の人は無事?望み通り?黄色いカーディガンの女になれたんだなと思った。うれしかっただろうなと思った。ダメダメな人生を送っているのに誰にも注目してもらえないこの黄色いカーディガンの女は、むらさきのスカートの女に憧れていたのかな、と、うれしかっただろうなと思った時にわかったような気がする。妙にすっきりとした読後感だった。スピンが紫色なのがよかった。

今村夏子さんの本を他にも読みたいと思って星の子、こちらあみ子も読んだ。どちらも淡々と話が進んでいくから余計にこちらの心が不安で揺らいでしまうような感じがした。人の嫌なところを書くのが上手なのかなと思った。


✳︎推し 燃ゆ 宇佐美りん

自分は誰がどう見てもオタクだと思うけど、あかりとは違うタイプのオタクだなとは思う。というか、あかりとは違うタイプのオタクにならないと、と思って生きている気がする。アイドルを推すことは趣味であって生活ではない。健康な生活の上に趣味は成り立つ。そう思って頑張りすぎないようにオタクをしようとわりと意識していた時期があったと思う。
だからこそなのか、あかりの気持ちもまぁ分からんでもないけど、こんな推し方しんどそうだな…と思ってしまった。
『守ってあげたくなる、切なくなるような「かわいい」は最強で、推しがこれから何をしてどうなっても消えることはないだろうと思う。』ふだん見ている推しに思う「かわいい」はこれだ!と思ったけど、何をしてもどうなってもほんとに消えない?と読み進めるうちに不安になってしまった。
死んでからのあかりはあかり自身の骨を自分で拾うことはできないけど、推しを失って一度死んだあかりは、あかり自身の骨は拾えたのだなと思った。

あとめちゃくちゃ個人的にはこういうタイプのブログを書く大手アカウントを私はフォローしない気がするな…と思ったのでオタクの土壌がやっぱり違うのかもしれない(オタクの土壌って何だ?)


*改良 遠野遥

ミーハーなので芥川賞受賞の帯を見て破局を買ったのだか、その時隣に置いてあったこの本のほうが気になって一緒に買ってこっちを先に読んでしまった。
淡々とした語り口調、出てくる人たちはみんな美しさに対して劣等感を抱いていた。自分は美しいほうではないと納得させて傷つかないように生きていくのも、美しくなりたいと思ってメイクをして服を着るのも、どちらも生きていくための武装→自分を改良していくことなのかなと思った。

『まだ子供だった頃に、うなぎの蒲焼の匂いだけで白飯を食べる男の話を聞いたことがあった。当時はただの作り話としか思えなかったが、いまの私はその男に似ていた。』ここの例えがすごく好きだった。

カバーを外すと眩しいくらいのショッピングピンクの装丁なのが素敵だった。最近装丁が好きな本をジャケット買いするのも楽しいことに気がついた。大人になって文庫本から単行本を買うことが増えてこういう買い方ができるのは大人のちょっとした贅沢で楽しい。


最近漫画も色々読んだのでまとめてみたい。

おわり。

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