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とてつもなく、「痛い」「もやもや」する本をご恵投頂きました。

ありがとうございます。で、、、要約不可能
私の場合要約できないのには2つの要因が

・自分が一貫性を理解できない本
例:Karl E. WEICK (1979),The social psychology of organizing (2nd ed.).

・スープのように煮詰めていい味にしているので味を変えないことが大事な本 =とても美味しいいい本を、更に煮詰めて味を濃くすることは愚行

で、後者ですこの本。なので紹介ならできます。
ドラッカー先生の本を濃縮した痛くてもやもやする本です、と。

内容の紹介の前にいくつかの前提共有を。
まず、ドラッカー先生の分野は経営学では規範経営学といいます。
詳しくはリンク先のnoteを

ここで大事なのは、ご自身は「私は少なくとも経営学者ではない」とおっしゃっていることと、社会生態学者であるとおっしゃっていることです。
この経営学者ではないという自認と、日本で経営学の神様とも言われていることがなぜ生じるのかは、経営学とmanagementの概念の違いです。

ここに決定的な違いがあります。
まず、機械と生態の違いです。

よくある間違いで(何故か最近院生にも増えている)、統計手法を用いた経営学論文でないとならないとか主流とか。
これは、早稲田大学の井上達彦教授の御著書『ブラックスワンの経営学―通説をくつがえした世界最優秀ケーススタディ』に、米国の主要学会誌で学会賞を受賞するような論文は50~70%が事例研究とあるように否定されます。

統計学か事例の解釈か。これは経営学の本質に関わり、かつ、managementと袂を分かつ重大な点です。

統計で予測が成り立つためには、現象の諸条件が同じで、その現象に再現性がなければなりません。井上教授の御著書のタイトルにもこのことが含意されていますね。

つまり、世の中は機械のように同じことが繰り返されているという前提でないと成立しないのです。

院生の誤りをただす意味で「統計で経営が語れるのなら、2019年迄のDataを用いて、その分析結果に基づいて2020年に経営で何を行わないとならないのかを述べよ、居酒屋・交通業・観光宿泊業において」と問いています。

かつ、要因と結果は因果関係という1対1対応であり、因果という限り1要因が必ず時間的に先行してなければなりません。

一方、生態学アプローチとは、相互作用でお互いにコミュニケーションをとっていると観ることです。

前置きが長くなったので本の一部を紹介

第Ⅰ部 問いの重要性
 経営学とは未来の為に「問う」ことなのです。
  問うということは、考えるということなのです。
   考えるという事は身体性を伴い実践することとなのです。
    「か、身交ふ」ですから。

 問うこと

 最後まで読むと、生態系の中で、個々が開花するためのコミュニケーションが経営だというメッセージが伝わってきます。

 ついでに、組織におけるコミュニケーションは、個々の開花のためにある。↓の人材育成学会編の組織コミュニケーションの項目を参考にしてください。

実は、筆者には発売の9/30日前にご恵投いただいていたのですが、noteにちょっぴり紹介するのが今日になってしまって申し訳なく。

ただ、本日10月7日に偶然UPできてよかったです。


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