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ネコ闘病記

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愛猫ルルちゃん(オス14歳、サイベリアンっぽい雑種、体重10 → 8.5キロ)の口腔内の癌闘病記です。病気のペットを支える人、延命について悩むご家族に少しでも参考になる部分があれ…
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2020年3月の記事一覧

家族の病気が発覚

「ああ、口の中に腫瘍ができているね」 「しゅ、しゅよう?」 フランス語で腫瘍を意味する tumeur がわからなくてバカみたいに聞き返した。 「そう、腫瘍。つまり癌だよ」 年配の獣医さんはそう言って、14歳ならしかたないね、と付け加えた。 目線が低い車イスのぼくにも見ることができるようにと、獣医さんが患部の写真を撮れるようにしてくれた。ルルちゃんの左上顎奥歯の周囲が凄く痛そうなことになっている。 【下に口の中の患部の写真を載せています。苦手な方は閲覧注意でお願いします

フリーランスの猫を探して

ルルちゃんがうちにやって来たのは今から9年前、東北の大震災の少し前のことだった。猫と暮らしたいね、って夫婦でずっと言っていたけれどペットショップで買うのではなく、困っているフリーランスの猫を助けたいよね、という思いがあって。あまりにも猫を探していて、ビニール袋を野良猫と見間違えて急ブレーキをかけたことも。ときどきよその猫を預かったりはしていたけれど、正式な保護猫の引取となると収入の条件があるとか地上階に住んでると(猫が逃げ出すかもしれないので)断られるとか、いろいろ敷居が高そ

薬を飲んでくれない問題

「犬用って書いてあるけど大丈夫」って獣医さんから処方された抗生物質の箱を開けて見てみたら真っ赤な錠剤だった。しかもデカい。人間でも飲み込むのを躊躇する大きさで、測ってみたら直径12mm、中心の厚みは6mmある。 いくらルルちゃんが大きいとはいえ喉に詰まりそうなので粉にすることに。砕いてみると中身は白で、赤い色はコーティングだった。鼻の効く犬に匂いがわからないようにしてるのかな。赤い部分はピンセットで取り除いて粉末になるまで潰し、ご飯に混ぜる。 しかしこれがご多分に漏れず食べ

不治の病という検査結果

検査から数日経つとルルちゃんは少し元気を取り戻したものの、1日のほとんどをベッドの上で静かに座り込んでいる。痛くて調子が悪いのをじっと我慢している感じだ。ただ見守ることしかできない落ち着かない日々。 そんななか、ちょうど1週間後に生検の結果がメールで送られてきた。辞書を引きまくりながらラボの所見を読む。 骨・歯の浸潤および出血性・化膿性の変化を伴う中間分化の口腔扁平上皮癌 予後不良の悪性腫瘍 やはり悪性なんだ…。 すぐに獣医さんを予約、2月3日月曜日の朝、今回はルルちゃん

セカンドオピニオン

老獣医師の見立てを疑ったというわけではなかった。彼がルルちゃんを診て最初から「年齢的に仕方ないよ」というスタンスだったのは、長年の経験から判ることだからなのだろう。 それはそれとして、うちからすぐのところにヴェテリネール(動物病院)があって。今後もし何か緊急事態が起きたときに、即座に駆け込める至近の動物病院にカルテがあれば心強い。 それにこれはまぁ、いいんだけど、老獣医師のホームページが犬の写真なのに対し、すぐそばの動物病院のそれは猫がメインビジュアルで獣医さんも多そうだ。