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行動する人のミッションに合わせてアイデアを出そう。

前回、私の仕事である事業企画業務で、関係部署に目標達成に向けたお願いをするときのマインドセットについて書かせていただきました。

振り返ると、自分の立場で言いたいことをいうのではなく、

「相手の話を聞き」「共感=肯定し」「相手のやりたいことを提案する」
というのが重要です。

「相手のやりたいことを提案する」はもう少し分解できて、

・相手にとって有益なことと会社に必要なことをすり合わせる
・そして相手にとって有益な言葉で行動を提案する

というのが必要なマインドセットだと考えています。

さて今回は、実際、関係部署と話す時にどのようにしているか、少し具体化したいと思います。

1.相手のミッションを理解する。

事業企画で事業全体の利益を見ていると、経費予算が大きいところや、なかなか改善の進まない部署は「なにもやっていない」かのように見えてしまうことがあります。

しかし、ここは冷静になってみましょう。もちろん何もやっていないわけはありません。顧客対応をしていたり、品質は改善していたり、納入遅れがないように調整に苦慮していたり、急な災害への対応で走り回っていたり。

工場であれば顧客に遅れなく良品を納入するということに全力を注いでいるはずです。

まず、関係部署と話す時は、日常、どのようなミッションを持って取り組んでいるか、そこを全力で理解することです。

利益の話をしようとして、予算の話をしたくなるかもしれませんが、それは重要であるものの、やらねばいけないことの一部であり、他に重要なことはある。自分中心ではなく、その部署が何をしているか、そこに寄り添うことです。

自分が大事にしていることを否定する人と話をしたい人はいません。
そして、 自分が大事だと思わないことをしようとする人もいません。
このあとやるべきは、関係部署が大事だと思うことを実現する過程で会社目標を達成させること。

相手が大事にしていること、ミッションを理解するのは大前提です。

2.お願いする目標と相手のミッションをすり合わせる

私の事業企画という業務を前提に話を進めますが、利益を出すために経費予算を減らしたい、とします。
そのときに、工場側の予算を否定してもしょうがありません。別に工場だって、会社の足を引っ張ろうと思って予算を立てているわけではありません。
ここで、先ほど確認した、「相手のミッション」が大事になります。

顧客に遅れなきように納入したい。だからできるだけ在庫を持ちたい、そのために保管倉庫が必要。倉庫代はこのくらいの見込み、といったように、目的があって立案しています。

確かに、在庫を持てば納入遅れの可能性は下がります。でも、そんな安直な手段でいいのか?と思わなくもありません。でも、「そんな安直でいいんですか?」なんて言っても話は続きません。

ここは「予算を減らす」ことと、「納入遅れをしない」という二つの考えの共通点を見つけることです。例えば、「顧客の求める必要なものを生産して、余分なものを作らない」と言ったことです。

そんなことできれば苦労しないよ、という声が聞こえてきそうです。でもそれでいいんです。それはすなわち、「本当はそれがやりたいんだ」と言っているのと同じだからです。

ここで重要なことは、お互いやりたいことを揃えることです。具体的でなくとも、定義付けができるだけでも十分です。

3.実行手段について議論する

ここまで議論している中で、方法ありきではなく、やりたいことがはっきりしてきました。もちろんいまできていないことにはそれなりに理由があり、簡単に別の手段があるわけでもありませんが、ここで重要なのは、「新たなアイデアを受け入れる準備がお互いにできた」ということです。

これは案外見逃しがちなところです。議論をしているようで、結論ばかり求めていて、それを実現するプロセスについてのアイデアを出し合う状態ではないことはよくあります。

なぜなら関係者で実現したいことが共通言語になっていないからです。

ここまでのプロセスで共通言語にすることはできました。ここまでくればアイデアを持ち寄り、活動案を作り、トライアンドエラーをしながら進めていくだけです。


ただ、改めて振り返ってみましょう。

共通言語にすると言っても、関係部署からそれを提示してもらおうとしてはいけません。はじめに記した通り、自ら相手のミッション、価値観を理解しにいくことが大前提です。

自分の付加価値を出そうとすると、自分のアイデアや価値観を押し付けようとしてしまいがちですが、あくまで行動する人の立場に立ち、その人が受け入れ、実行できるように持っていくことが大事です。

アイデアの内容自体の良し悪しは環境でいくらでも変わりますし、自分が百発百中のアイデアを出すことは難しいです。しかし、関係者の受け入れるツボを見つけて、そこで議論できるように全体をファシリテートできれば、望む結果には確実に近づくことができます。

アイデアそのものではなくファシリテート。そのようなマインドセットで仕事に向かうことが私自身の付加価値と思って取り組んでいます。




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