自主的にWAISを受けた話

きっかけ

私は自己分析が趣味みたいなところがあって、WAISもその一環だった。

社会で生きていく中で、自分はなにかがおかしいと感じて、その原因究明の手段としてWAISを受けたいと思った。

別に発達障害という名前が欲しかったわけでもないし、その逆でもない。

でも、ネット上じゃ自分の能力を測るのに限界があったからというだけ。

色々調べた結果、大学の学生相談所で受けられそうだったので
「WAISを受けたいです」と相談しに行った。

受けられるけど、カウンセラーの判断で必要だとされた場合のみ受けられるということだったので、
とりあえず一度相談の形式をとって、検査日を決めた。

ちなみに、無料。(ありがとう)


感想

忙しい時期に行ったのと、朝が若干早かったのもあって疲労感はぬぐえなかった。

ワーキングメモリを測る問題が一番難しかった。難易度が上がると全然覚えられない。

絵画完成も、自分の回答が求められている回答であるという自信が持てずに終始何だこれ状態だった。

ネットでよくIQ診断として出てくるようなパズル的問題は、時間制限があったこともあり、思ったより解けない。

なんせ予備知識がないので(あってはいけないんだけど)、
結果が出るまでは当然何も分からなかった。

結果

出るまでに一か月くらいかかった。

数値としては、

  • 全検査 119

  • 言語理解 119

  • 知覚推理 103

  • ワーキングメモリー 106

  • 処理速度 140


こんな感じになりました。

ワーキングメモリは100いくと思ってなかったし、
処理速度の高さは意外過ぎてみた瞬間笑っちゃった。

ネット上のIQテストは知覚推理に分類されるよなーと勝手に思っていて、
私はそれで130くらいの高い数値が出ていたので驚き。一番低いとは。

ちなみにネットで高く出たのに検査で下がった理由は検査内容に触れるので割愛。

カウンセラーさんからのアドバイス

  • 言語理解

まあそこそこ高いですよ~ということはまあ見ればわかりますよ~くらいのテンションで聞いていたのだけれど、ひとつ鋭いこと言われまして。

「明文化されていない事柄については、時に物事のポイントを捉えかねる」

この根拠を書くと検査内容に触れてしまうことになるので書かないけど、
これを言われてめちゃくちゃ思い当たる節はあった。

普段からバイトでも、「なんでわかんないの?いつもこうじゃん」的な指摘を受けることが多く、そのたびに「いやいやそうだけど判断基準わかんないし今回もそうなのかわかんないじゃん…」となったりしていた。

ものすごく端的に言えば「察せない」ということ。はぁ。

  • 知覚推理

こいつは厄介。

下位項目の差がでかすぎる。

その項目だけでIQにすれば130あるなというものもあれば、80くらいしかなさそうだなというものまである。

えっ、同じ能力測ってますよね…と疑いたくなる数値だった。

カウンセラーさんの見解としては、「目に見えない法則性を視覚情報から導くのは苦手だが、問題解決のパターンが分かっているものは推理していくことが得意」ということだった。

私なりに砕いた解釈としては「分かれば凄くできる。分からなければ全然できない。」

当たり前のことじゃん、という感じだけど、これはこれから説明する処理速度とも関わってきそうだなと思うので、一旦置いておく。

あとは、「空間把握能力がない」「一度に多くの視覚情報が目に入ると注意がいろいろなところに向きすぎて見落としが起こる」ことも指摘された。

私が運転できない理由を端的にご説明いただきましてありがとうございます。

駐車はいつも一か八かだし、信号に標識に歩行者に周りの車に、すべて見ながら運転するとか人間の成せる技じゃないだろと思っていたけど、
どうやら私が注意力がないのではなく、本来向くべき場所に向いていないということらしい。

あとはバイトでお客さんのメール返信するときも、一文読み逃してたり数字見間違えたりすることはあったなと。確認不足ですが。

大学受験の時も、追い込まれてたときの国語の問題でどうしても文章に合致する選択肢がなくて頭抱えてたら選択肢丸々一行全く見えてないことがあった。怖い。

素人の考察だから、心当たりのある事柄が本当にその能力に関連したものなのかはわからないけど、とりあえず心当たりはありましたという話。

あ、運転は日ごろから控えております。

  • ワーキングメモリー

「口頭で多くの情報を伝えられると混乱する」

知ってた。

これしてあれしてそれ終わったらあれして、という指示をされて完璧にこなせた記憶がない。

なんなら、「承知しました!」と笑顔で言った二秒後に全部忘れたことある。あの時は冷や汗かいた。

「意味を理解した情報に関しては、耳で聞いた情報を脳にとどめるのが得意」

これは知らなかった。

心当たりはあまりないけど、裏にして「意味を理解できなかった情報に関しては、耳で聞いた情報を脳にとどめるのが苦手」と解釈すれば頷ける。


  • 処理速度

まぁ全体的には情報を見分けて判断するのが速いですよ~ということだったんだけど、
ここでも「多くの視覚情報が入るとミスが起こりやすくなる」と言われた。

これは心に刻んでおきたい。自分を信用するな。

あとさっき知覚推理で指摘された「分かれば凄くできる。分からなければ全然できない。」の「分かれば凄くできる」は処理速度の高さなのかな?と思った。

処理速度が高いと頭の回転が速いらしく、もともと低い知覚推理の能力を変に処理速度で補ってしまったのかな~と考察している。

………140かぁ~というのが正直なところ。

テトリスは誰にも負けたことないし、テストは大体時間がめちゃ余るし、英語の単語帳も一日で1900語一周できたけど。

どうやら頭の回転が速すぎると考えがぶあーーーっと止まらなくなったり、体が頭に追いつかなかったりするらしい。

私が耳で聞く学習が苦手なのも、頭の回転に音が追いつかないからだと言われた。だからみんな起きてられるのか…?

あとこれは性格上の問題もあるけど、バイト中に「きこさんさぁ、」と言われた時点で「ここをこうした方がいいですよね」と先に指摘される内容を言ってしまったりする。
(わかってるなら先にやれ、だけど、検討の結果選ばれなかった方が正解だったときのパターン)

私は結構この処理速度の高さを扱い切れていないっぽい。

全体的考察とこれから

各群指数でみたときに、ディスクレパンシーとよばれる「差」が37もあった。

一般的にこれが15を超えると発達障害の疑いがあるとされるらしい。

いや倍以上あるんすけど…(笑)という感じで一応私は発達障害なのかと聞いてみたら、
「これだけではわからない」という返答だった。

そりゃそうか。

ディスクレパンシーは必要十分条件ではないので、いくらプロでも、いや、プロだからこそなのかな、判断にはほかの情報が必要だとのこと

でも、差が大きいせいで人生において困難をきたすことはあるようで。

処理速度の高さからくる成果によって期待値が上がるが、他の機能を使うとなったときにそれは高くないので失望されてしまう、とか。

これは普通に泣いてしまいました~~~~

この先、発達障害の有無についてもっと掘り下げるかどうかについては要検討。

(特に適性がないことをちゃんと避ければ、2024年現在そんなに困り感はないと思っている)

WAISで測れる能力に関しては、言語は生活の中で伸びる可能性があるものの、他は特にトレーニングをしてあげていくのではなくカバーする工夫をしていくことが大切ということだった。

ワーメモで言えば、メモを取るとか。単純だけど、最も効果的だと思う。


全体的な感想としては、やっぱり受けてよかった。

自分の苦手だと思っていたことが得意の裏返しだと知れたり、
ずっと疑問に感じていた自分と周りとの「差」の理由がちょっと分かったり。

あとは、自分の行動のどこまでがパーソナリティでどこまでが(WAISで測れる範囲とはいえ)能力なのかということが分かった。

得意不得意が明確に分かるから、仕事を選ぶときにも役に立つ。

けど、処理速度の高さが直接的に生かせる仕事はほぼないし(なぜならコンピューターの方が速いから)、あったとしても退屈な事務作業らしい。かなしい。でも裏を返せば、どんな仕事にも応用できるということ。


私は今のところここまでしかデータを活用できてないけど、
少なくとも受けてよかったと思っているので、この記事が誰かのお役に立てれば幸いです。



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