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中国「標準必須特許分野に関する独占禁止指南」(意見募集稿)(6月30日)

国家市場監督管理総局(SAMR)は、6月30日付、「標準必須特許分野に関する独占禁止指南(关于标准必要专利领域的反垄断指南)」の意見募集稿を公示し、7月29日まで一般から意見募集を行う。本指南(ガイドライン)は、事業者が標準必須特許を濫用し競争を排除・制限し、市場での公正な競争を保護し、知的財産権と標準化が協調してイノベーションの発展を促進させ、消費者の権利と社会公共の利益を保護することを防止および阻止することを目的としている。

本指南の意見募集稿は、5章20条と比較的コンパクトな内容となっている。
第1章 総則 第1~7条
第2章 標準必須特許に係る独占合意 第8~10条
第3章 標準必須特許に係る市場での支配的地位の濫用行為 第11~17条
第4章 標準必須特許に係る事業者の集中(合併)第18~19条
第5章 付則 第20条

参照サイト:https://www.samr.gov.cn/hd/zjdc/art/2023/art_6422b2fb728f486b9814349213ea07c6.html

以下、仮訳ですが、文末に、原文に日本語対訳PDFファイルがあります。

標準必須特許分野に関する独占禁止指南(意見募集稿)

第一章 総則

第1条【指南の目的、根拠】
 事業者が標準必須特許を濫用し競争を排除、制限する行為を予防と制止し、知的財産権を保護し、経済の運営効率を向上させ、消費者の利益と社会公共の利益を擁護するため、「中華人民共和国独占禁止法」(以下、「独占禁止法」と略称)、「中華人民共和国標準化法」、「華人民共和国特許法」などの法律法規の規定に基づき、本指南を制定する。

第2条【関連概念】
 標準必須特許許とは、標準を実施するために必要不可欠な特許をいう。
 標準制定組織(団体)とは、標準の制定、公布を主な活動とする組織をいう。
 標準必須特許権者とは、標準必須特許権を享有する事業者をいう。
 標準の実施者とは、標準を実施する事業者をいう。

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