中国 著作権法2020年版

中華人民共和国著作権法2020 改正版仮訳
(1990年9月7日第7期全国人民代表大会常務委員会第15回会議にて採択 2001年10月27日第9期全国人民代表大会常務委員会第24回会議における「中華人民共和国著作権法」改正に関する決定に基づき第一回改正、2010年2月26日第11期全国人民代表大会常務委員会第13回会議における「中華人民共和国著作権法」改正に関する決定に基づき第二回改正、2020年11月11日第13期全国人民代表大会常務委員会第23回会議における「中華人民共和国著作権法」の改正に関する決定に基づき第三回改正)

第1章 総則

第1条 文学、芸術及び科学的著作物の著作者の著作権並びに著作隣接の権益を保護し、社会主義の精神的文明、物質的文明の建設に有益な著作物の創作と送信を奨励し、社会主義文化及び科学事業の発展と繁栄を促進するために、憲法に基づき本法を制定する。
第2条 中国の自然人、法人或いは非法人組織の著作物は、発表の有無を問わず、本法に基づき著作権を享有する。
外国人、無国籍者の著作物はその著作者が属する国或いは恒常的な居住国と中国とが締結した協定或いは共に加盟している国際条約に基づき著作権を享有し、本法による保護を受ける。
外国人、無国籍者の著作物であり中国国内で最初に出版されたものは、本法により著作権を享有する。
中国と協定がまだ締結されていない或いは共に国際条約に加盟していない国の著作者或いは無国籍者の著作物が中国の加盟している国際条約の加盟国において最初に出版(公表)された、或いは加盟国と非加盟国において同時に出版された場合、本法の保護を受ける。
第3条 本法にいう著作物とは、文学、芸術及び科学などの分野において独創性を有するとともに、一定の表現形式でなされた知的成果をいい、以下に掲げるものが含まれる:
(1)文字(訳注:文芸)の著作物;
(2)口述の著作物;
(3)音楽、演劇、演芸、舞踊、曲芸芸術の著作物;
(4)美術、建築の著作物;
(5)写真の著作物;
(6)視聴著作物
(7)工学設計図、製品設計図、地図、見取りなど図形の著作物及び模型著作物;
(8)コンピュータ・ソフトウェア;
(9)作品の特徴が適合するその他の知的成果。
第4条 著作権者及び著作隣接権者が権利を行使する場合、憲法及び法律に違反してはならず、公共の利益を損なってはならない。国は著作物の出版、送信に対し、法律に基づき監督管理する。
第5条 本法は以下に掲げるものには適用されない:
(1)法律、法規、国家機関の決議、決定、命令及びその他立法、行政、司法の性質を有する文書、並びにそれら公文書の正式訳文;
(2)単純な事実報道;
(3)暦、汎用の数表、汎用の表及び公式。
第6条 民間伝承の著作物の著作権保護手続きは、国務院が別に定める。
第7条 国家著作権主管部門は全国の著作権管理業務の責任を負う。県クラス以上の地方政府主管著作権部門はその行政区域の著作権管理業務の責任を負う。
第8条 著作権者及び著作隣接権者は、著作権団体管理組織に著作権或いは著作隣接権を授権することができる。法に基づき設立された著作権団体管理組織は非営利法人であり、授権後は自らの名義で著作権者及び著作隣接権者のために権利を主張するとともに、当事者として係争する著作権或いは著作隣接権の訴訟、仲裁、調停活動を行うことができる。
著作権集団管理組織は授権に基づき使用者から使用料を徴収する。使用料の徴収基準は著作権集団管理組織と使用者代表が協議して確定するが、協議が不成立の場合、国家著作権主管部門に裁定の申立てをすることができ、裁定に不服の場合、人民法院に訴訟を提起することができる。当事者は直接人民法院に訴訟を提起することができる。
著作権集団管理組織は使用料の徴収と振替、管理費の抽出と使用、使用料の未分配部分など全体の情況を定期的に一般に公表するとともに、権利情報照会システムを構築し、権利者と使用者の照会に提供しなければならない。国家著作権主管部門は法に基づき著作権集団管理組織に対する監督、管理を実施しなければならない。
著作権管理組織の設立方法、権利義務、使用料の徴収及び分配、並びにその監督及び管理などは国務院が別に定める。

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