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USPTOを騙った不正勧誘者に有罪判決

アメリカ司法省は、9月15日付で通知を公示し、ラトビア国籍のViktors Suhorukovs(スホルコフ、37才)がUSPTOの名前を騙り、アメリカの登録商標所有者に商標更新費用などと騙った案内状を3年間にわたり郵送し、2,900人以上の商標所有者から数百万ドルを詐取したことを認定し、スホルコフ容疑者に4年以上の禁固、450万ドル以上の賠償金を支払うように命じたことを公表した。
 スホルコフスは、アメリカ特許商標庁(USPTO)からの公式の書簡のように見せるためにアメリカ国内にPatent and Trademark Office、LLC(ワシントンDC)とPatent and Trademark Bureau、LLC(ニューヨーク市)を設立し、これらからの書簡をUnited States Patent and Trademark Office (USPTO)からの書簡と誤認させ、数百万ドルに及ぶ偽の更新料や不要なサービス料金を支払わせたというもの。こうした書簡は商標更新に係るもので、更新期限やUSPTOのサイトにリンクするQRコードが記載されていた。この摘発には、もちろんUSPTO、米国郵便監察局(USPIS)、国土安全保障省(HSI)および Greenville警察署が協力しており、USPTOはこうした詐欺行為に対する活動を積極的に行っている。

 ところで、こうした詐欺行為は、EPOやEUIPO、WIPO、カナダ、最近では中国の国家知識産権局の名前を騙った事例が報告されており、日本でもこれらがしばしば発見されて相談をうけることがある。ドメインの更新や先取り行為に対する警告を含む詐欺行為もあるが、COVIDの時期にこうした詐欺行為には注意が必要である。

参照サイト:司法省公示 USPTO詐欺取組 EPO通知 EUIPO通知 CNIPA通知

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