中国:最高人民法院による技術契約紛争事件の審理における法律適用の若干の問題に関する解釈

(2004年11月30日に最高人民法院裁判委員会第1335回会議で採択され、2005年1月1日施行;2020年12月23日に最高人民法院裁判委員会第1823回会議採択の『最高人民法院による特許権侵害紛争事件の審理に関する法律適用の若干の問題に関する解釈(二)』など18件の知的財産権類司法解釈の改正の決定で改正、2021年1月1日施行:法釈[2004]20号、法釈[2020]19号)

技術契約紛争事件を正確に審理するために、「中華人民共和国民法典」「中華人民共和国特許法」と「中華人民共和国民事訴訟法」などの法律の関連規定に基づき、裁判実務を結び付け、関連問題について以下の通り解釈する。

1.一般規定


第1条 技術成果とは、科学技術の知識、情報と経験を用いて作りだされた製品、製造技術、材料及びその改良などに関する技術案をいい、特許、特許出願、技術秘密、コンピュータソフトウェア、集積回路配置設計、植物新品種などを含む。
 技術秘密とは、一般公衆に知られていない、商業的価値を備えるとともに、権利者が相応の秘密保持措置を講じている技術情報をいう。

第2条 民法典第847条第2項にいう「法人或いは非法人組織の業務任務を遂行する」には、以下に掲げる内容を含む:
(1)法人或いは非法人組織での職責を履行、或いはその与えられたその他の技術開発任務を担当すること;
(2)離職後一年以内に引き続きその元所在した法人或いは非法人組織の職責或いは与えられた任務に関する技術開発業務に従事したこと。但し、法律、行政法規に別段の規定がある場合を除く。
 法人或いは非法人組織とその従業員が従業員の在職期間或いは離職後に完成した技術成果の権益について約定がある場合、人民法院は約定により認定しなければならない。

第3条 民法典第847条第2項にいう「物質的技術条件」には、資金、設備、器材、原材料、未公開の技術情報と資料などを含む。

第4条 民法典第847条第2項にいう「主に法人或いは非法人組織の物質的技術条件を利用する」には、従業員が技術成果の研究開発過程において、法人或いは非法人組織の資金、設備、器材或いは原材料等の物質的条件を全部或いは大部分を利用するとともに、これらの物質的条件が当該技術成果の形成に実質的に影響のあるもの、また、当該技術成果の実質的内容は、法人或いは非法人組織がまだ公開していない技術成果、段階的な技術成果の基礎の上に完成した情況のものを含む。但し、以下に掲げる情況の場合を除く:
(1)法人或いは非法人組織が提供した物質的技術条件の利用に対して、資金の返還或いは使用料の支払いを約定した場合;
(2)技術成果の完成後に、法人或いは非法人組織の物質的技術条件を利用して技術案を検証、テストを行った場合。

第5条 個人が完成した技術成果は、元所在した法人或いは非法人組織の業務任務を遂行した、または主に現在所属する法人或いは非法人組織の物質的技術条件を利用した場合、当該自然人が元所属と原所属の法人或いは非法人組織が合意した協定に従って権益を認定しなければならない。協議で合意できない場合、当該プロジェクトの技術成果を完成するためになされた貢献の大きさに基づき双方が合理的に共有する。

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