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【KY15】掘り出しもの低PBR銘柄の見つけ方


開示資料からスクリーニング

東証の公表リスト

「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に関する開示企業一覧表の公表について

上記リンクからダウンロードできます。上記リストには、計画を公表している企業が載っています。

ただ結論から言うと、ほぼ役に立ちません。なぜなら、取り組んでいる企業のリストなので、そこを調べたところで現在の株価に織り込み済みで、伸びしろはあまり期待できません。
探すべきはすでに取り組んでいる企業ではなく、これから取り組もうとする企業のなかで、株価が伸びそうな企業なのです。

企業の適時開示情報を見る

企業の適時開示情報の中で、何を見ればよいのでしょうか?これ意外と知らない人が多いです。

「コーポレートガバナンスに関する報告書」です。
ここかなり大事なので、覚えておかれると良いです。

以下は私の失敗事例です。
寺崎電気産業(6637)の株価を見てください。
ちなみ業態とか気になる方は、ご自身でお調べください。

Yahoo!ファイナンス(寺崎電器産業)

簡単に説明すると、船舶、産業用の配電制御システムメーカーで国内シェア首位です。業績もいいし、将来性も期待できるし、低PBRで超割安な企業です。
ただ同族企業色が強く、株主還元をする気があまり見受けられない企業だったので、私は見送りました。

四季報オンラインから
寺崎電気産業のIRから

上記の日付を見てください。

しかも「ROEの向上をめざしてまいります。」としか書いてないのです。これだけで上がるのです!

私のミスは、同社のコーポレートガバナンス報告書を見逃した点です。
なお同社は業績をグングン伸ばしているので、株価はうなぎ登りです。

低PBR銘柄の4つの着目ポイント

私はスクリーニングする際、次の条件を入力しています。

低PBR銘柄に該当すること

  1. 資本コストの見直しを検討中であること

  2. PBRが0.8未満であること

  3. 配当利回りが4.0%未満(優待を含め)であること

十分な株主還元をしていて、PBRが1.0未満な場合は、さらに株主還元を期待するのは難しいです。

業績がいいこと

  1. 売上高(トップライン)が伸びていること

  2. 営業利益率が2%以上あること

  3. 純利益率が5%以上あること

  4. 一人当たりの売上高が伸びていること

当たり前ですが、業績が良くないと企業は株主還元できません。
なお営業利益率が2%と低いのは、小売業・卸売業など利益率が低いものを排除しないためです。

業績が上向きでないと株価は下がるので、株主は株主還元するより、そのお金を使って業績の向上することを期待します。

財務状態がいいこと

  1. 自己資本比率が50%以上あること

  2. 月商の3月分>現金同等物ー有利子負債(ネットキャッシュ)

私は自己資本比率の高さよりも、ネットキャッシュを重視します。
なぜならば、企業によっては資産が土地・建物、のれん、貸付金など容易に換金しにくいものを帳簿上計上していることも多く、すぐに支払えるものがある方が早期の株主還元を期待できます。
また有利子負債(借金)の多寡は経営判断に影響を及ぼし、株主還元にマイナス要因となります。
ある程度、大盤振る舞いが期待できることが大事です。

その他定性的な情報

  1. 株主に外国人投資家(アクティビスト)がいること

  2. 時価総額100億円から2,000億円であること

  3. 優待銘柄でないこと

株価が上がるには、外国人が買うことが必須です。
外国人が好むポイントを挙げています。

新日本建設(1879)

私は、個々の銘柄の分析は書かないです。インフルエンサーになって、売買を煽りたいわけではないからです。あと面倒だからです。
また売買される方は、投資は自己判断でされるべきなので、調べるときもご自身で行われる方がいいです。
私はあくまでコンサルタントなので、読者には私なりの考え方を知っていただければと思います。IRを違った角度から読み解いた、みたいなところに関心を持っていただけると幸いです。

どのような企業か

Yahoo!ファイナンス(新日本建設)

建設と不動産開発がメインの企業で、建設業では中堅どころです。業績はいいし、財務状況もいいです。
私のスクリーニングにほぼ合致しています。
私がいいと思った点は、ROEが11.7%(東証推奨基準は8.0%以上)と高い点です。PBR=ROE×PERなので、同社は株主の資金を有効活用して儲けをしっかり出しているものの、株主還元が十分でないと評価されているということです。
したがって十分な株主還元があれば、株価の上昇が期待できます。内容次第ですが、資金的には十分に余裕のある企業です。

資本コストの見直し

コーポレートガバナンス報告書(2023/6/30)で2023年度中に行うことを表明しており、まだ公表しておりません。

その他の点

一つは、同社は「プライム市場上場の維持基準」の流動株式の比率(35%)にギリギリな点です。流通株式数を増やすには、大株主の持ち株や持ち合い株などを、市場に放出してもらう必要があります。さらに、自社株買いや金庫株の消却も難しいです。
したがって同社は、増配や優待で株価を引き上げる必要性が高いです。

次に、建設業はディフェンシブ銘柄であり、内需中心なので円高銘柄という今のテーマ性と合致していることです。
また建設業は、何年先も受注残があるので、天災など余程のことがない限り業績は容易に悪化しません。

新日本建設は買いか?
答え:最近、ポートフォリオの見直しを行いました。私の保有銘柄です。

投資は自己責任でお願いします。
以上、今回はここまで。また次回もよろしくお願いいたします。



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