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10月25日

服薬7時間睡眠。起床時の呼吸、吸う吐く吸う吐くのリズムが、起きているときの通常の呼吸と変わることに気づく。眠りの層が深かったせいなのか。思春期の頃、醒め際の自分の呼吸が自分のものと思えなくて、霊だと思い込んでいたのを思い出した。あれも自分の息だったのか。眠っている時、自分の精気はどのように活動しているのだろう。
パスコのイングリッシュマフィン、ハム、目玉焼き、カマンベールチーズで朝食。

石元泰博展に行く。家にある桂離宮の写真集しか知らなかったが、六十年代までの冴えに冴えた写真に眼が満足した。日系アメリカ人として生まれながら強制収容所に収容された経験を持つ石元。「よそもの」の視線によってしか切り取られない景色に心惹かれることが多い。何者でもありたくないという強い思い。生きているうちは自分をどこにも位置付けず、姿をぼかしていたい。

昼食にささっとうどんを食べ、モヘアのニットを探しに古着屋をまわる。mが着たいとずっと探しているがなかなか見つからない。インターネットで見ると六十年代のボロボロのニットに三万円、四万円の高値がついていてカートコバーンに憧れる男性は多いようだ。早世することへの憧れはあるが、死ねずに長生きしなければならない女の図太さも悲しいと思うのだ。

早めに回転寿司の夕飯、帰宅後に気合を入れて仕事を仕上げて、買ってきたキャロットケーキを食べる。

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