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きゃらをの世界

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過去に書いたショートショートです。当時は1500円とか 結構イイ値段でだしました。 全部まとめました。
シュールな笑が欲しい人には向いているかと思います。
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#小噺

田舎のゴリラ都会に行く

俺は田舎で暮らしているゴリラ 田舎で暮らしているというか ジャングルで暮らしているから 俺からすればこちらが都会だ だがしかし 都会に暮らしているゴリラもいた このジャングルを抜け出して 光雄のやつはすっかり コンクリートジャングルで暮らしている そんな光雄から手紙が届いたんだ 「きゃらを、遊びにこないか?  都会にはジャングルでは食べられない  美味しいものがいっぱいある」 まじか、バナナ以外にも もっと美味しいものがあるってことか? しかし、都会はこことは違い 文

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木こり生活

ショートショートで、無料部分でも成立するように1000文字でまず書いてみました。無料部分だけでも楽しんで頂ければ幸いです。 俺の名はきゃらを 木こりをしている 若いころは必死だったが 年齢を重ねる事で熟練したというのか 木も力いっぱいに切り倒せば 切れるというものではない 木には木の呼吸もあるから そこをうまくつついてやれば 上手に切り倒すことができる ただその日はなんとなく感覚がつかめず 勢いに任せて切っていたら 手をすべらせてしまった ちゃぽーん♪ あぁー湖まで飛

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侵入者

俺はこれ泥棒を生業にしていて 結構な屋敷というか まぁ言ってしまえばキャッスルかな 忍び込んだんだよね だけど不気味なんだよな 何か視られているような感覚 とっととお宝ゲットしてズラかろう なんかでも奇妙な歌声が聞こえてくるな カーイカイカイッ カーイカイカイッ 誰かがどこか痒いのだろうか? そういえばこの時期蒸し暑くて 蚊も多いからな 俺もなんか背中を刺されているみたいだ ちょっと背中が痒い 意識すると物凄く痒いよ 仕方ないので少し壁の角で 背中を擦りあてていた

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トランペットと我が人生

1900年代前半 俺はアメリカで生まれた うちの家系は貧しかった 何をしても貧乏な両親に 子供ながらに荒んでいた たまたまそこに楽器屋があったんだ 意識したわけではないのだけど ショーウィンドウ越しにキラキラしている 楽器が眩しかったので魅入っていた その程度の感覚 欲しいとかそういうことでもなく なんとなく食い入るように見ていたら お店の店主が出て来た 「てめぇこのクソガキ!盗みにきたかぁ」 滅茶苦茶怒られた ただ眺めていただけだ それに俺は楽器は弾く事はできないし

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ただの藁しべ

真面目に働いていても 全然暮しが良くなることもない そこで、こうなれば神頼みだと 観音様にお願いすることにした。 そうしたら声が聞こえてきたんだ 「きゃらをよ、明日起きて  最初に触ったものを手放さずに  大事に持ち続けなさい」 いや寝ぼけていたから どうかなぁとは思ったのだけど その声がずっと残っているんだ だからなんか信じてしまう。 ところで起きたけど 何を触ればいいんだろう? 住んでいるところは ぼろ屋だけど扉もあるからな 扉を開けてまず外にでよう 「ガラガラ」

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