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クリパで斑鳩ルカに魅了されたという自己嫌悪

※この記事は自分の整理のために書いたのと、クリパやルカやシャニマスそのものへのマイナスな感情は一切ないことを最初に記しておきます。最高のイベントでした。


12/18、19の2日間で行われた「THE IDOLM@STER SHINY COLORS Xmas Party -Silent night-」通称クリパ。
DAY2の最後、終演アナウンス後に突如行われた斑鳩ルカ役の川口莉奈さんによるサプライズ登場&パフォーマンス。
会場に居たP、そして配信を見ていたPは全員、突然のことに心が奪われ、「は!?は!?え!?」となり、終わった後には放心状態になったことだろう。
無論私もそのひとりである。終わった後にはツイッターでルカのことしか話していなかった。
それこそ他の演目や演者さんのことをそっちのけにしてしまうくらいに。

その事実に、私は私を殴った。
このクリパは2日間もあった。何時間もあった。なのにたった1曲のパフォーマンスに全部持っていかれてるんじゃねぇよ!と。
それほどまでに斑鳩ルカは圧倒的だった。

シャニマスは、ユーザーの反応や心の機微を利用して、あまりに意地悪な仕掛けを施しているのだ。


・元々SHHis関連は、我々ユーザーの心理を突いた運び方をしている

この項はあくまで私個人の感情の機微と関係しているため、「我々」「ユーザー」という主語は適当でない可能性を含むものとする。
(SNSの反応を見る限り、私の他にも同じ感情の動きをした者が散見されたことから、私の感情はおそらく運営側の予想通りと言えるのだろう。多分)

そしてこの項の言わんとすること自体が既に他の方々も言っていることなので、「SHHisは俺らの反応がそのまま本編コミュだ」というのが分かっている方には蛇足と感じるだろう。
しかし私は今回のルカに魅了されたオタクたちの反応が、これの地続きであると考えるため、敢えて再確認のために書かせてもらう。

さて、3/21日に行われた2ndライブDAY2の告知の衝撃は記憶に新しいだろう。
なにせあのはづきさんの妹と、俺のデレの担当が大人になったみたいなビジュアルのアイドルがシャニマス史上初のデュオユニットとして実装されるというのだから。
私はあまりの衝撃に感情が処理しきれずライブ後にやけ食いして寝込んだ。

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実装前には、美琴が華やかなビジュアルなのに対して、にちかに対しては地味という印象を受けた。
しかしゲームに実装され、WINGでのプロデュースイベントを見てみるとどうだ。
にちかと美琴で話題性に大きく差があったのだ。


先に実装されたにちかのWINGストーリーは、まったくの初心者である一般ピープルが小糸より軽い罪を犯しながらアイドルになり、傷つきながら血反吐をはきながらWING優勝を目指すという、あまりに衝撃的かつ重い話であった。
おまけに八雲なみという爆弾付きだ。
シーズン脱落、本線脱落という地獄のようなコミュからの優勝コミュはさぞキラキラしたものだと想像したことだろう。なのにあの始末だ。
私は寝込んだ

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にちかWINGシーズン2(失敗)より

その数日後、美琴が実装された。
にちかでやられていたメンタルのまま優勝させたが、「ああこれだこれ」といったようなオーソドックスなサクセスストーリーであった。
それだけだったのだ。

もちろん、美琴のプロデュースイベントも、年齢的に後が無い彼女の焦りや関係ないルカとの邂逅、何度も名前を呼ぶシャニPなど魅力は盛りだくさんであったが、それくらいならこれまでのアイドルたちのWINGにもあった。

これまでのアイドルたちとまったく違う「七草にちか」というストーリーを見てから「緋田美琴」のストーリーを見ると、なんとも薄味に感じてしまったのだ。
私自身、ビジュアルに一目惚れして「顔が良い」とのたまいながら推すと決めたアイドルであるというのに、「見た目華やかな割に中身が無いな」という感想を抱かずにはいられず、自己嫌悪に陥った。

だってそうだろ!?
自他ともに実力が足りないのを認めながらそれでもしがみつくようにレッスンし、シャニPがモノローグを使ってまで深みを演出し、全編でユーザーにメランコリー付与しながら進んでいったにちかに比べ、美琴は徹頭徹尾レッスン室に籠もる自主練お化けなだけだったのだから。

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美琴WING優勝コミュ「my name」より


そして実装して2ヶ月、イベント「ノーカラット」が実装された。
内容は本編読めだが、エンディングにてついに我々ユーザーが思っていたことが彼女たちの周りにまで浸食してしまう。

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ノーカラット エンディング「O O」より

無論、我々の反応を見てからこんなシナリオを書くわけがないであろうから、シャニマスは「こういうキャラと話にすればユーザーはこう思うだろうな」と考えてWINGとノーカラット、そして感謝祭を実装させたことになる。
シャニマスはユーザーの心理を予想し、その通りにできたのだ。


・元々、シャニマスはオタクの解像度が高い

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p-SSR【♡AKQJ10】有栖川夏葉「Knight?」より

このバニー夏葉のコミュに出てくるSNSのオタクたち。
これは普通にツイッターなんかを見ればそこらじゅうにいるような者たちである。
例えば、「洋画の吹替えにアイドルが挑戦!」などということがあれば、「タレント吹替えやめろ」をはじめとした叩きが起こるだろう。それと同じだ。

SHHisが実装されるよりずっと前から、シャニマスはこうした「あーいるいる」というモブを多数生やしてきた。

しかしにちかと美琴の話題性(評価)問題は、これらとは順序が逆である。
その解像度の高さから、実際に我々が出すリアクションを予想し、そのままコミュ内の番組ディレクターや世間の評価にし、そして我々の評価とリンクさせた。

SHHisにおいて、ユーザーは最初からすべてシャニマスの手のひらの上で踊らされていたことになる。

そして私はまた自己嫌悪に陥った。
何故ならコミュ内でにちかが評価されて美琴に仕事が来ないということは、現実にSHHisが実在したとしても同じ結果になってしまうということだ。
美琴を燻ぶらせているのは他ならぬ自分なのだ。
美琴推しとして、もうなにがなんだかわからずグチャグチャだ。

そこで、美琴が元々所属していたルカとのデュオユニットのことを思い出す。
感謝祭を見るに、にちかはルカの道筋をなぞっているように見える。

美琴と組んでいた頃、ルカはひとりだけ人気が出てしまった。それが本人が望んだものでなかったとしてもだ。
感謝祭のためのコンテンポラリーダンスの練習もできず、結果的に時間的なすれ違いを生み、同じユニットでいられないほどに美琴とルカの人気はかけ離れてしまった。

にちかにも、この兆しが見えてしまっている。
「地味だけど喋らせると面白い」という評価の通り、にちかはバラエティーでやっていけるポテンシャルがある。
にちか本人は望んでいないことであるが。

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にちか感謝祭コミュ「きらきらしてて」より

しかしにちかは、コンテンポラリーダンスを敢えて捨てることによってルカとはまた違ったルートを開拓しているものだと私は信じている。

ただコミュ内のSNSやインタビュー、雑誌にいたるまでにちか一色であった。
「美琴は元々できて当たり前。発展途上こそ注目株」と言わんばかりの評価だ。ますます不憫だ。

またこれも、実際の我々ユーザーのリアクションでもあるのだろう。病んだ。



・斑鳩ルカにすべてを奪われたクリパ

そして行われた先日のクリパ。
2日ともにバラエティーコーナーやライブパートで楽しみ、2日目の終演アナウンスの頃には「あー楽しかった」となっていたことだろう。

そこにルカ(川口莉奈さん)は現れた。
まるでこれまでの2日間を吹き飛ばすように、圧倒的なパフォーマンスでライブ後の感想をルカ一色に仕立て上げた。

冒頭に述べた通り、私もまたルカ色に染まった者のひとりだ。
治安の悪いケーキ作り、わちゃわちゃした福笑い、感動のお手紙、そしてライブ――すべてが吹き飛んでしまったのだ。


言い訳をさせてもらうと、これにはまた心理的なものがある。
イルミネからノクチルにいたるまで、我々は一度は"見て"しまっているのだ。
たとえ新曲であろうと、見守りん解除であろうと、これまでのライブやリリイベで、一度は見たことのある演目と演者なのだ。
当然、ライブごとに演者のパフォーマンスは進化しているという上から目線なことも言える。初期の曲も披露してくれてマジ感慨深い古参になることもできる。

だがルカの登場は、我々をミーハーにさせた。

新しいものに目を奪われるのは当然の心理であり、これまで長きにわたって温められてきた川口さんのルカとしての初パフォーマンス、初披露の新曲、なにもかもが初だ。

それも、ライブが終わったと思って完全に油断していたところを横からブン殴られたのだ。
いやでも我々はカミサマに目を奪われるしかなかった。

この演出はシャニマスにとっても挑戦だっただろう。
なにせ「アイマス最高!」をキャンセルさせてまでやったものだ。
相当なクオリティでなければ、出オチで滑るという悪夢が待っている。

しかし斑鳩ルカと「神様は死んだ、って」はやってのけた。
演者である川口さん、会場のスタッフ、曲の制作スタッフ、それらが収束したあのパフォーマンスは、283プロに単身挑み、そして勝った。
勝ってしまった。


ここで私はまた自己嫌悪だ。
なにせそれまで出演してくれた演者の全員をそっちのけにしてしまったのだから。
あの瞬間、あのライブ後、私はカミサマ信者だった。

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SHHis感謝祭エンディング「0 0 0」より

あんな歌と動きを浴びせられたら嫌でもああならざるをえない。


・「じゃない方」を想像した自己嫌悪


「ルカとにちかを見てきた美琴はどう思っているのだろう」
と想像してみる。

もし私が美琴だったなら、それはそれは面白くない感情を持っていただろう。
なにせ10年間燻ぶり続けていた自分を差し置いて、相方はどんどん人気が出て行ってしまうのだ。

美琴自身がどう思っているか、それは私は美琴でないのでわからない。
内に何かを秘めてドロドロと燃やしているかもしれないし、割り切っているかもしれないし、諦観に近い冷めたものを持っているのかもしれない。
それは誰でもない、美琴にしかわからないことだ。

けれども私はめぐるのように割り切ることができない。雛菜のように達観することもできない。
シャニマスにどっぷり浸かってしまったオタクは、面倒な独り相撲に興じるクレイジーな人になってしまった。
メンヘラか?

そして来るのが、「ごめんなさい」という思いだ。
美琴は美琴なりに色々考えているだろうに、勝手に想像して憐れんでごめんなさい。
クリパに出演した演者の方々、2日間楽しませてくれたのに忘れてしまってごめんなさい。

そりゃ演者同士は「凄かったよー!」「全部持ってかれた!」とワイワイしてるだろう。
これは私が勝手に抱いている余計な罪悪感や自己嫌悪だ。

それほどまでに斑鳩ルカの破壊力は凄かった。

もう「ルカには関係ないでしょ」で笑えねぇや……


これまで長々と語ってきたが、結局のところ言いたいのは、「SHHisにおいてシャニマスが最初から仕掛けてきたユーザーの心理コントロールは、このクリパにおいても私にクリティカルヒットした」ということだ。
「神様は死んだ、って」もソッコーで買った。
高山はゆくM@Sの前に説明生配信をしてあさひのPラブを名言せよ。

以上で筆を置かせてもらうものとする。

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