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#香料

浪費そのものが意味となる|フレグランス書評 vol.2:渡辺昌宏『香りと歴史 7つの物語』

浪費そのものが意味となる|フレグランス書評 vol.2:渡辺昌宏『香りと歴史 7つの物語』

芳香は常に一方通行だ。手首へと過剰に振りかけた『CK one』は、振りかけた本人であるあなたよりも、電車で隣の席で座った見知らぬ誰かの方が、遥かに鋭く芳香を感じている。鼻をつまんだり息を止めでもしない限り、そのシトラスの匂いを拒否することはできない。しかも厄介なことに、香りの“初回“は原則的に拒否できない。せいぜい《この人ってこんな匂いしそうだな》とか《この料理はこういう匂いだろうな》という判断に

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