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『進撃の巨人』は全巻ならんでいるけど読んでません

最終巻になる34巻の初版発行は、2021年6月9日です。
そう、多くのひとがご存知のとおり原作マンガは完結しています。
1巻から初版で並んでいる、わが家の本棚。
いつだって手を伸ばせば物語の終わりを知ることは出来るわけですが、私は知りません。だって、読んでないから。

なにも知らずに観たいんです。
今年の秋、やっと完結するってアニメのほうを。

「The Final Season」と銘打たれてPart.1が2021年、Part.2は2022年になってから。で、先日ようやく完結編の前編が放送されました。
後半が2023年の今秋と発表されたのも、その放送の最後でのこと。

いつとも知れない終わりを、もう2年も待っていたわけです
物語の最後は、ずっと本棚に並んでいるのに。

もちろん原作があってこその物語なので、マンガ表現の限界がうんちゃらと難癖をつけるつもりはありません。原作に対するリスペクトはあります。
ただ、マンガを読んでもエレン・イェーガーの声が梶裕貴さんで再生される私の中では、アニメのほうが原作化しちゃったんでしょうね。

だから、アニメで完結してないうちからマンガを読みたいと思わないわけ。
チラとページをひらいてみたこともありません。
じつは最終巻の少し前から読むのをとめている私にとって、まさに完結編は未知の領域だったりで、たっぷり1時間しっかり楽しめました。

やはり見どころは、調査兵団14代団長ハンジ・ゾエの見せ場パートでしょうか。
結末までご存知の方には言うまでもないでしょうけれど、まさにあのシーンみたいな瞬間をアニメーションで見たかったんです。

表現の違いに過ぎないんですが、どうしてもマンガってストップモーションと同様の、ことアクションにおいてはモーションブラーの見せ方を工夫して動的な演出をする技法に頼るわけですよね。
ただ、あくまでも”動いているように見せる”技術なんで当たり前なんだけど静止画である大前提を物理的にひっくり返せないわけです。
どうしようもなく、その1点においてアニメーションには勝てません。
ストーリーが見事であるほど、それっておしい・・・と思っちゃうんです。
だからこそ『進撃の巨人』は、動く絵で見たかった。
残念ながら原作は、動的な演出が追いついてないというのもあるかな。

たとえば鳥山明の、ドラゴンボールの視覚で追いきれないスピード感とか。
ズルいっちゃズルいんだけど、あれこそマスターピースで。
さらに描くとしたら、それこそ”静止画うごかない”しかないんじゃないかな。
読みたいと思えるかどうかは別にして。

あのスピード感みたいなものが、原作の『進撃の巨人』には足りない。

機動性で圧倒するほか術がない巨人を相手にする、そのアクションの軸にもなる部分で、圧倒されるスピードを感じられない口惜しさ。
マーレ編になって、とくにシナリオでけん引するパートが続いていたので、あまり気にならなくなっていたんですけど、やはりクライマックスになって最後の戦いってやつで、ガッカリしたくなかったんです。

だから、ハンジさんの見せ場パートは最高でした。
見たかったんだ、これが! って感じ。

また半年、「The Final Season」の後半に期待して本棚を眺める日々です。

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今回のタイトル画像は「---✂︎カセットboy ✂︎---」様からお借りしました。
ありがとうございましたm(__)m