当社の回路基板向け生産設備において、検査機アフターサービスの人材不足が課題となっています。検査機でサービス提供するには、一般的なサービス人材としての知識経験の他に、検査機特有の座学や、検査条件の利害関係者の把握が必要になることがあります。

プレーヤー(製造経験)人材
生産設備のサービス人材は、商品知識からサービス取引までを学ぶ必要があります。商品知識は設計、製造、調整などの技術業務を基礎としてアプローチすることが一般的です。製造調整の経験者は、設備に触れる経験が特別多いためにトラブル対応に関する引き出しを多く持つのが特徴です。設計経験者に比べると、自らが手を動かして不具合解消の作業をする反面、他者を通じて解消する手段を構築することが苦手のように思います。プレーヤーに専念してもらうことが得策です。サービス取引は会社生活に密接しているので理解することは難しくありません。担当業務とグループワークを通じて習得してもらうことができます。担当業務では技術提案/見積の作成、そして自ら実行することで洗練される効果が高いです。グループワークではサービスチームの目標設定と売上状況の共有、サービス商品の横展開を行うのが有効な活動となります。顧客状況を常に実感できる環境にいるため、主体的な行動意欲が高いメンバーが多いです。ベテランメンバーであっても、技術のマネタイズに関して高い目標を達成してくれることも期待できます。

プレーヤー(設計経験)人材
設備設計経験を有するメンバーの場合、検査機のような高難易度の生産工程設備を担当で可能です。例えば回路の電気検査設備ならば、電圧電流や高精度検査技法のような座学が必要になります。検査ツールとして使用するプローブ治具の動作原理の理解が必要なこともあります。新人のメカ設計者ならば実務を通じて2年かけて主担当になれる内容です。生産設備で新機種を立ち上げる局面で、問題解決をするに与えられる時間は長くて数日です。新人プレーヤーが独力で問題解決できるチャンスは殆どないと言って良いでしょう。設計経験者ならば、座学や構造に関する知識を習得済みか、基礎思考力が備わっているので、現場対応を通じて自ら学び、成果を出しながら成長することが可能となります。
※設計経験者をサービス人材に転用するケースは限定されています。商品としてアーリーフェーズならば、市場反応を取り込むことを優先するために、問題の早期解決に設計者を投入することがあります。そのフェーズを過ぎると、設計人材を新商品開発に集中させることになります。そうやって商品サイクルを構築して事業継続をすべきです。

コントローラー人材
私自身をコントローラーと位置付けて業務進行しています。設計経験の他に、新商品の立ち上げで顧客現場に張り付いたり、中国市場監督のために駐在をしたこともあります。そういった厳しい現場経験から、サポートの深度やマネタイズを考えられるようになりました。しかしながら今日では、既存商品の少ない予算の中から、後輩に同様の経験をさせることができなくなりました。設計→営業→サービスのジョブローテーションから判断経験を創生するべきかもしれません。当社でも、新規商品開発を進めていますので、新商品のアーリーフェーズでは優秀人材に広い経験を提供できる時が来るでしょう。
※開発を加速する支援についても考えてみたいと思います。

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