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UTMF2022

忘れないウチにUTMF 2022旅日記※記録用で超長いです😅

●前半(スタート~富士急90km)
第3ウェーブ16時に順調にスタート。初めての100マイルに緊張するも、途中友達にも出会えておしゃべりしながら林道を走る。送電線下の適度なトレイルのアップダウンだか、シングルトラックで自分のペースを守れず予定より40分早くU1に到着。

エイドでバナナを補給後、緩やかな下りロード、天子の登山口からは登りは黙々と歩き、予定より1時間20分も早くサポートの待つU2麓に入る。頑張って走った45キロ、6時間も疲れてはいなかったが、ちょっとペースが早かったなーと一抹の不安が走る…。エイドでコーラとカップヌードルが美味しい。ザックに補給食を追加して再スタート。滞在時間は30分。

U2麓~U3本栖湖は未試走区間。エイドから1時間くらい林道を走りようやく登りに。登りは違う筋肉だからかテンポよく300mを30分で登り端足峠に到着。キタキター、この下りから右ひざに違和感発生。U3本栖湖で右ひざに加えて、両足の足首にも違和感。椅子に座って靴紐を緩め、足を10分ほどマッサージして出発。

U3本栖湖~U4精進湖も未試走区間で適度なアップダウンで整備されたいいコース。なのに両足首が痛くて下りが走れなくなってきた。歩きながらこの痛みであと100キロ近く走ると思うと目の前が真っ暗になり、一気に気持ち沈む。さらに烏帽子岳からの激下りでかなり足首にダメージ。その後走れるフラットな樹海がほぼ歩きへ。

とは言え、予定より2時間早くU4精進湖到着、足のマッサージするも痛み変わらず。いつか復活するのかなと完走が半信半疑に。ただ食用は旺盛で、コーラと雑炊がおいしかった!カフェイン入りのジェルのせいで元気で眠くならないけど胃に負担あると感じた。ここで全着替え、靴もSG5へチェンジ。明け方寒くなかったので、ウインドシェル着て出発!

U4精進湖~U5富士急は試走した区間。8キロのロードを60歩走って20歩歩く作戦。痛みと共存走法。鳴沢風穴で夜明けのホットコーヒーで気持ちを整え足和田山へ向かう。上りも下りも全歩きへ変更。ロードに出ると8時でもう暑い!少し走って風を受けたいのだけど痛くて走れない。深田さんとちゃんぷさんに会うも、だんだん走れない自分に萎えてきて、気持ちの沈んだままU5富士急に到着。この時点で予定よりは1時間半貯金あった。

やはりカップヌードルとコーラが最高に美味い。追加で買ってもらったオレンジジュースも最高に美味かった。ノースリに着替え中、山崎さんが追いついてきた。あかねちんにあってゴールを誓うが・・・痛みは一向に回復せず、なすすべなく歩き始める。

UTMF 2022旅日記〜その2

●後半(富士急90km〜忍野110km)
時計もリセットして再スタート。暑いロード区間だからか皆んなとぼとぼ歩き始める。小倉山が何気に急登できつい。この辺りから足を上げる度に激しい痛みがはしるようになった。もう体がにっちもさっちもいかなくなってきたよー泣。

やる気を失ったまま道の駅でソフトクリームを食べる。美味い、美味すぎても泣く。川畑さん教えで脛をマッサージすると多少痛みが減った。捨てる神もいれば拾う神もいるもんだと思った。意外に足の回復が見られ、そうこうしていると元気いっぱいのKAIの選手がどんどん追い抜ていく。その中にチャンプ錬のメンバーが大勢いてエールをくれた。ボロボロの自分には嬉しかった。

忍草山に差し掛かると目眩が起こりそうな巨大な壁のような急登。一歩づつ手押し車で登りきると疲れ切ったMFの選手が頂上の倒木をベンチにして涼んでいるので、僕も一緒に涼む。そして下り。こんな気持ちよい下りなのに、こんな山日和なのに…こんなMFという最高の舞台なのに走れない…そこが悔くて辛かった。ただ途中、何かしらの痛みで休んでいる選手をぽつぽつ見かける。辛いの自分だじゃないと思うと少し勇気づけられた。

ロードや砂利道でゆっくりしか歩けなくなった。後ろから来る人全員に抜かれる。抜かれるときにも大丈夫ですか?と声をかけられるようになった。先ほど膝の痛みで休んでた人が追いついて来て声をかけてくれた。その痛みを抱えた彼が膝を折ってマッサージしてくれた。自分が情けなくて泣きそうになり「もう終わりにしよう」と思った。

U6忍野で医療スタッフの方に声をかけて終わりにしようと心に決めエイドに入る。もう痛くてダメですって伝えると、ひとまず休みましょう!って芝生で脚の手当をしながら話を聞いてくれました。ロキソニンテープとロキソニンも飲んで水とおにぎり食べて少し横になった。真っ青な空がキラキラと眩しかった。

UTMF 2022旅日記〜その3

●後半(忍野110km〜きらら125km)
リタイアバスの時間や場所をききながら、タグに半分くらい手がかかっていました。リタイア前にサポーター連絡し、やめる理由を訴えたのですが、今ひとつ伝わっていないというか、わざと聞かないふりしてたのかな?とにかく時間もたっぷりあるし、今すぐ決断する必要はないという返事…。

芝生でぐずぐずしていると後藤田夫妻到着。会って元気もらうも、うまく返事できず「頑張ってください!」と絞り出し、後ろ姿を見送る。

だんだん薬が効き始めきたのか、ちょっと靴履いてみようって気になり、立ち上がって歩いたらなんと歩ける!芝生の坂も下れる!痛みが和らだと感じだ瞬間、ヤル気スイッチがオーン!お医者さんの「行くなら今だ!」でようやくエンジンかかった!

ひとまず次のエイドU7きららまでいってまた相談しようと思い歩き始めた。トボトボ登っていると、同じように歩く男女の二人組に出会いました。ひとしきり僕もおしゃべりの仲間に入れてもらって大平山まで辿り着くことができました。男性が抜けて女性と2人でくだっていると、後ろから声をかけられました。

何とチームメイトの大門さんです。スタートからずっと歩いてきて、ここから先も最後まで歩いてゴールしますと。そう聞いた瞬間「あー!大門さんならこの弱々しい俺をゴールに連れて行ってくれるかもしれない」と直感しました。しばらく3人でこれまでのレースの事を夢中でおしゃべりしました。苦しい時間は長く、楽しい時間はあっという間。きららに繋がるロードまで降りる事ができ、ひょっとして完走できるかも?

U7きららのニューハレブースで足首のテーピングをお願いして少し楽になる。おにぎり2個とお稲荷さん、サンドイッチを食べておなか一杯。全着替えして靴をまたSG4Wに変更。ここから大門さんと一緒に行くと決め、みんなの「ゴールで待ってるよー」で、あれほど遠かった「完走」という文字が自分事になってきた。これを復活というか?

U7きららからU8二十曲峠。これから40キロの山岳コース…ハードさを想像したら、また気持ちが折れるので、ひとまず明神、ひとまず山伏峠分岐と目標を小分けにして集中して歩く。歩きだったからか、ガスター10が効いていたのか気持ち悪くもなくお腹も減らず、2人で改めて世間話しながら歩き始める。

UTMF 2022旅日記〜最終回

●後半(きらら125km〜ゴール156km)
真っ暗闇にKAIが通ったトレイルがくっきり出来あがっていて歩きやすかった。この区間の難所、山伏峠から反対側の稜線にでる急登。頼りないロープを幾つも登ってゆく。登りきると5人ほど暗闇の中で寝ていた。一旦座るも2人とも眠くないので二重曲峠まで足を進める。暫く2人走っていると急激に大門さんに眠気。10分くらい眠るというので僕も一緒にと思ったけど、足が遅いので1人で先に行きました。

一人になってから次のエイドまでがとても長く感じた。石割山鉄塔までに来た時の安心感は半端ない。前を行く選手がゆっくり下っていたので声をかけたところ、腸脛靭帯に痛みと胃のトラブルを抱えていたので胃薬をあげた。そんな余裕も出て来たことが嬉しかった。

U8二十曲峠に入るなりお湯をもらってドライフーズのサンラータンスープ。「お腹にしみるー美味すぎ」。ブルーシートで死んだように横たわっている選手の隣で地べたに座って休憩。結局30分待てど大門さん来ずで、また1人で足を進める。真夜中の山は変な声というか鳴き声が聞こえる。寒くなってきた。

U8二十曲がり峠でたら幻覚が半端ない。2回目の夜だからか…地面に落ちてる松の葉が全てカタカナに見えたり、倒れた木が立派なバルコニーに見えたり、木が女性にみえたり。だいたい上の方に車が見える。山頂であってほしいという願望か…登りきっても笑う程何もないし、山頂でもない。幻覚の解像度は高く、近くに行くとスーッと無くなるのが不思議。手に入れたお金が手に取ると枯葉になる感覚。

頭が朦朧としてる中、ようやく杓子山に到着するも休む間もなく下山へ。とその時大門さんと合流!ここからが激下り、手前に入れた3回目のロキソニンでそこまで痛くないが、ロープを使って下るのが全身に堪える。心のなかで文句を言っている。長い、長すぎる!ようやく左の折れて緩やかな下り、林道、最終エイドU9富士吉田に到着。朝6時UTMF 最大の難所杓子山を超えた。

とうとうここまで来たぜ!うどんをサラッとたいらげ水分補給して出発。霜山までの長いロードは観光客のようにゆっくり歩く。霜山のゲートをくぐるといきなり急な登りだけどさくさく上る。頭が朦朧としているので、同じところをぐるぐる回っている感じ。杓子と同じように前方に車がたくさん見えるがすべて幻覚。

霜山の尾根に出るとトラバース気味のトレイル。下りも緩やかで気持ちよいトレイルをゆっくり下る。登って降りてを4回繰り返してようやく富士急に向かうロードへ。地獄から生還した気分。最後の最後は走ってみんなの待つゴールへ…終わった!

苦しかった。けど楽しかった。思い通りにはならなかった。けど発見があった。そんな旅でした。

この旅を支えてくれた家族、サポーターの内藤さん、選手、チームの皆さん、この旅を実現してくれた大会関係者のみなさん、ボランティア、地元の皆さん、本当にありがとうございました😊

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