歴史的価値のある(しかしその事実が全然知られていない)1枚/Victoria Monet「Smoke」

4月突入!
新入生、新社会人の皆様おめでとうございます。
新たな門出に幸あれ!
我が家の息子も4月から中学生。どうなることやらですが、頑張っていきましょー!

さて、すっかりお馴染みになったユニバーサル・ミュージックのソウル再発シリーズ『Throwback Soul〜ソウル/ファンク 定番・裏名盤・入手困難盤』、シリーズ第3弾は「ニュー・ジャック・スウィング /ヒップホップ・ソウル・エラ~ネオ・ソウル前夜編 Vol.1」! その中で、私はジャッキー・マギー『Jacci Mcghee』のライナーを書かせていただきました。

ジャッキー・マギーといえば、キース・スウェット「Make It Last Forever」のデュエット相手として有名。というか、語られるのはそれのみ。<「Make It Last Forever」のデュエット相手>という称号以上のものは残念ながら得られなかったのでした……(強いていえば『ファミリー・スタンドでサンドラ・セイント・ヴィクターの後釜を務めた』という称号(?)もありますが)

けどですね。彼女の唯一のアルバム『Jacci Mcghee』は、実は物凄い歴史的価値のあるアルバムなのです!
なぜかというと、昨年、2022年に亡くなった3人の偉大なプロデューサー、ジェイムス・エムトゥーメイ、パトリック・アダムス、バーナード・ベルが一堂に会したアルバムなのだから!!!

(注:過去に書いたジェイムス・エムトゥーメイの記事パトリック・アダムスの記事。もちろんバーナード・ベルも大大大好きですよ!)

ライナー書くにあたって改めてクレジットを確認していて、その事実を目の当たりにし、本気で震えましたよ……。だってよりによって(?)去年亡くなった大好きな3人が集まっているのだもの。亡くなってなくても「この3人が集まってるなんて豪華なアルバムだなー」と思ったでしょうが、偶然にも3人とも去年亡くなってるなんて……。てか、これって有名な話なのかしら。私はクレジット確認するまで記憶にありませんでした(恥)。
ちなみにパトリック・アダムスはプロデューサーではなく、キーボードでの参加です(キース・スウェット制作の「Good Old Fashioned Love」という曲)。
ジェイムス・エムトゥーメイは77年にロバータ・フラック&ダニー・ハザウェイに提供した「The Closer I Get To You」をセルフ・リメイク。タワサがバック・ヴォーカルで参加。
テディ・ライリーの右腕として知られるバーナード・ベルがプロデュースした「The Other Woman」にはバーナードの実姉、レジーナ・ベルとアリソン・ウィリアムス、ジェフ・レッドといった凄まじい面々がバック・ヴォーカルで参加してます。

Jacci Mcghee / The Closer I Get To You
代表して(?)この曲を。オリジナルは美しいソウル・バラードだけど、こちらはジョン・ジェイムスなる男性シンガーをフィーチャーしたアーヴァン・ミディアムとなっております。

Roberta Flack & Danny Hathaway / The Closer I Get To You
オリジナル。邦題「私の気持ち」。ルーサー・ヴァンドロス&ビヨンセとか、他にも色んなアーティストがカヴァーしております。


というわけで、さりげに無茶苦茶豪華なアルバム『Jacci Mcghee』、一家に一枚、ぜひお買い求めを(笑)。マジで歴史的価値のある1枚だと思いますので!

ちなみにジャッキー・マギーは現在も自主レーベルからシングルを出したり、地道に活動している模様。同じ女性として、その逞しさは本当に尊敬です!


<今日の1曲>
Victoria Monet / Smoke feat. Lucky Daye

ブライソン・ティラーとの「We Might Even Be Falling In Love」(Spotify限定シングル)も素晴らしかったヴィクトリア・モネイの新曲、今度はラッキー・デイをフィーチャーしたミディアム。どこか牧歌的な感じがして心地良しです。MVは結構謎な内容だなーと思ったけど、スモークってそういうことか!と納得(私の解釈が間違ってるかもしれませんが)。そしてプロデュースは我らがDマイル! アルバムも楽しみですね。

Victria Monet / We Might Even Be Falling In Love
オマケでこれもアップ。ブライソンとのデュエット・ヴァージョンはYoutubeになかったので(Spotifyで聴いてね)オリジナルの方を。元々はアルバム『Jaguar』収録のインタールードだったのでした。

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