追悼パトリック・アダムス/Muni Long「Baby Boo」

私の大好きなプロデューサー、パトリック・アダムスが去る6月22日に亡くなってしまいました。享年72歳。NYガラージ・サウンドの立役者であり、学生時代にこの手の音楽にどハマりしていた私は、彼のクレジットを求めてレコ屋巡りをしたものです。彼のおかげでどんどん聴く音楽の幅が広がっていったし、私にとって本当に特別なプロデューサー。素敵な音楽をありがとうございました、という思いでいっぱいです。心からご冥福をお祈りいたします。


好きな曲はたくさんあるのですが………。

The Universal Robot Band / Dance and Shake Your Tambourine
76年産。パトリック・アダムスとグレッグ・カーマイケル、ドナ・マギーという強力すぎる面子によるディスコ・ユニット。

Phreek / Weekend
78年産。パトリック・アダムスによるプロジェクトで、プロデュースはパトリックとリロイ・バージェス。ソングライトはリロイとジェイムス・キャロウェイ。ここら辺の面々はパトリックの側近としてずーーっと関係が続いていきます。クラス・アクションによるこの曲のカヴァーも超超超最高!

Black Ivory / Mainline
79年産。リロイ・バージェスがリード・ヴォーカルを務めていたグループ。この曲でパトリックはプロデュースではなく、ストリングスとホーン、リズム・アレンジを担当。リロイはソロや3人組ユニット、アリーム(Aleem Fueaturing Leroy Burgess)などでも活躍。

Inner Life / I’m Caught Up(In A One Night Love Affair)
79年産。みんな大好きジョセリン・ブラウンがヴォーカルを務めたグループ。ですが、メンバーにジェームス・キャロウェイ(b)、リロイ・バージェス(key)がいることからも、フリーク同様パトリックと側近達によるプロジェクトということがわかります。インナー・ライフの前身がフリークだったというか。

と、書いてるうちに、私はパトリックではなく、パトリックとリロイ・バージェス等側近達による音が好きだったのではないかと思い始めてきましたが、どちらにしろパトリックがいなかったら生まれていなかった曲なわけで。でもって、これら全部が70年代後半に一気に生まれた曲なんですね。どれも約45年くらい前の曲ですが、色褪せないのがすごい。亡くなっても曲は生き続けるなーと思うのです。

パトリックがすごいのは、これらガラージ・クラシックを生み出しただけでなく、ミックス・エンジニアとしてヒップホップやR&Bの作品も多数手がけていたこと。エリック・B&ラキム「Paid In Full」とか、キース・スウェット「Don’t Stop Your Love」とかね。

先週末の大事件で心が鬱々としがちな日々ですが、彼が手がけたハッピーな音楽を聴いて、心を癒していただければと思います。私は家で1人聴きながら泣き踊りしてますよ!音楽は素晴らしい!


<今日の1曲>
Muni Long / Baby Boo(With Saweetie)

2022年の顔ともいうべきマネー・ロングの最新EP『Public Displays Of Affection Too』からの先行シングル。みんな大好きゴースト・タウンDJ’s「My Boo」をサンプリングしたアップ・チューン。ネタで勝負アリって感じもしますが、やっぱりいいですねー。夏!って感じです(小並の感想ですみません汗)。それにしてもマニー・ロング、フル・アルバムまでジワリジワリと来てる感じですね〜。

FNCY / Silky

「My Boo」ネタといったらこれでしょ!!!

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