細胞と私

握りしめた柔らかな細胞たちは
今にも息絶えそうだ
静かに瞳を閉じた私が
今出来る事と言えば

悲しみに浸る機械仕掛けの心
ギシギシと歯車は話しかける
返答待ちの僅かな時間で
真っ黒な命を繋いでいく

既に答えは出ていると言うのに
ただの屍になった気分で
黙り込む私に落ちた雷
何も言い訳が出来なくて泣いた

弾けた想いとは裏腹に
見えなくなっていく本音と囁き
辛いだけのため息は
心の傷に染み込む

無音で溶けていく夜に
もう戻ることは出来ない
涙は何処かへ駆けていく
救われる事なんてないのに

震える身体を刻むのは
産声を上げ続ける細胞たち
絶対安静な心に添えた
私の最期を捧げよう

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