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犬を動かす はじめに

『4059』この数字は2021年度に処分された犬の数です。動物愛護センター、保健所に持ち込まれた犬の数は27635匹。

結果だけを見ると、殺処分数は年々右肩下がりで一見すると良い傾向に見えますが、とんでもない、大して変わってないんです。

確かに処分される犬の数は減りましたが、それは業者からの引取り拒否と、動物愛護団体、保護活動をされてる方々の尽力な活動があってこその数字。

また行政が把握出来てる数字だけで、実態は不透明なのが現実なんです。

皆さんに問いたい、「今のままで犬の殺処分や飼育放棄がゼロになると思いますか?」

恐らく多くの方がNOと回答するでしょう。

理由は様々挙げられると思いますが、今のままでは絶対にゼロにはなりません。

それは何故か、人々の犬に対する考え方が止まってしまってるからです。

分かりやすい証拠があります。

それはペットショップです。

犬好きであれば、1度は町にあるペットショップに行ったことがあると思います。

どうでしょう?

そのペットショップ、10年前、いや20年前と比べて何も変わってないと思いませんか?

ずっと変わらず同じ売り方をしているんです。

そう、何も変えなくても売れ続けるから、変える必要がないんです。

つまり、消費者である我々の犬に対する考え方や捉え方がずっと止まってしまってる証拠です。

ペットショップは売れなければ、売り方を変える必要が出てきます。しかし営業トークもずっと前からほとんど何も変わってない。

それどころか、犬の知識が殆どない販売員でも犬を売ることが出来る有様。

いかに消費者の知識が乏しいか、よく分かる現実だと思います。

次に、知識が皆無な飼い主さんに迎えられた犬達は本当に幸せになれると思いますか?

中にはそのままペットショップにいた方がまだマシだったんじゃないか?って思うような子達もたくさん目にしてきました。

小型犬だから大丈夫だろう、そんな安易な気持ちで飼い始めて、その淡い期待を砕かれた飼い主さんも多いです。

それらは至極当然の結果。

無知で飼えるほど、犬は甘くありません。

犬も命ある動物、心のある動物です。

我々と同じ哺乳類動物なんです。

つまり犬も子育てと同じ。誤った子育てを行えば、良い子には育たないのと同じです。

勝手に良い子には育ちません。

これから、犬の為に必要なのは、保護活動、啓発活動も当然必要ですが、飼い主さんの学習機会だと思っています。

多くの飼い主さんの知識と意識が高まれば、ペットショップもブリーダーも変わらざるをえなくなります。

「飼ったらしつけ」と言われてきましたが、これからは「飼い主さんが先に飼う前に学習する」ことがスタンダードになれば良いと思います。

そこで、本書では犬を迎え入れる前から、どのようなことを学んでいけば、犬も人も幸せになれるのかを、これまであまりなかった「犬目線」を入れて具体的に説明します。

ドッグトレーナーという仕事の本質は「犬の代弁者」であると思います。

言い換えれば、弱者側の目線になります。

また本書では、子犬から迎え入れたパターンと保護犬を迎え入れたパターンと分けて説明していきます。

本書を読み終えた頃には、必ず貴方の意思通りに犬は動いてくれると思います。

それでは最後までお付き合いください。

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