クズ人生4〜エセつんくの誕生〜

小学3年生になり小学校低学年でやってしまった悪行(クズ人生2.3参照)によりもう誰も周りには寄り付かなくなってしまっていた。

幼いながらにこれからの学校生活はクソみたいなものになるんだろうなぁと思っていたのだがまさかのもう一度転機が訪れる。

その当時、世間では「モーニング娘。」が大流行していた。もちろん、私の通っていた小学校でも大流行していて私も兄がモーニング娘。の曲を聴いていた影響もあり私もかなり詳しかった。

ある日の放課後、女子たちが教室で何人か集まりモーニング娘の真似事をして遊んでいた。
そこにたまたま出くわした私は

「その曲全部歌えるよ」

と言い放った。

女子たちも男子が何故モーニング娘の曲を全て歌えるのか不思議に思ったのか
「え?歌ってみて!歌ってみて!」
と嬉々としてお願いしてきた。
自信のあった私はモーニング娘のハッピーサマーウエディングを歌い、サビの前にメンバーの矢口が
「パッパラパーのアッチョー!」と言いながら蹴り上げる動作付きで歌った。
それが女子に馬鹿受けをし、その日は日が暮れるまでいろんな曲を歌った。

その後、数日女子達と放課後にモーニング娘の曲を歌って遊ぶのが日課になった。女子の間でもそれが噂になり日に日にその人数は増え遂にはクラスの女子全員がその放課後モーニング娘に参加していた。もちろん、2年生の時にバレンタインチョコをくれた夏歩ちゃんも例外ではなかった。

ある日、一人の女子が言った。

「クズ雄くん、男の子一人でつんくみたいだね」

最初なんの事か分からなかった私は家に帰り兄につんくの事を聞いたら
「モーニング娘の曲をつくってる人だよ」
と教えてくれた。正確にはプロデュース全般をやっていたのだが、私はこの時とんでもない事を思いついてしまった。

「つんくになってやろう!」

あろうことか、私はただ遊びでモーニング娘を真似るのでは飽き足らずクラスの女子が全て集まったのだからプロデュースしてやろうと思ったのだ。

思い立ったら吉日と思い、その日に小学生の頭で一生懸命考えた詩を書き上げ学校に持っていった。
その放課後、女子にそれを見せると

「えー!すごーい!ホントのつんくみたい!」
「これ、歌ってみたい!」
と、大好評だったのだ。
そうなると私は気を良くしてしまった。
ちょうど私は幼稚園の頃から親にピアノを習わされていたので
「僕ピアノ弾けるから曲をつけて歌えるようにしようか?」
と言った。
そうすると、男子がピアノを弾けるという事が当時珍しくもあり女子達はますます私の事をつんくみたいだと囃し立てた。

だが、曲作りなんてやったこともなく調子の良い事を言ったは良いものの何から始めれば良いか分からず手探りでやっていた。
自宅に帰りピアノの前で悪戦苦闘、学校でも休み時間にピアニカを出してああでもないこうでもないと頭を悩ませながら四苦八苦していたらその時まさかの天使が舞い降りた。

夏歩ちゃんだ。

2年生の時にあれほど酷い事をした夏歩ちゃんが
「曲作れそう?手伝う?」
と言ってくれたのだ。
正直めちゃくちゃ嬉しかった。
夏歩ちゃんは私よりもピアノの才能があり、幼稚園の頃も夏歩ちゃんの家に遊びに行った時に弾いていたのを聞いていたがかなり上手だった。
私は素直に一人では曲作りが難しい旨を話し夏歩ちゃんに手伝いをお願いした。
夏歩ちゃんは快く快諾してくれた。
その時の夏歩ちゃん天使どころか後光が差す仏のようにも見えた。

こうして夏歩ちゃんとの曲作りの日々が始まった。
この後、訪れる最悪な事態があるとも知らずに…

今回はこれぐらいにしようと思う。
思い出深い話なのでもう少し長くかけると思います。

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