見出し画像

ソーシャルビジネスとして海外展開に挑む思い

中小企業が海外展開する上で大切なこと

2015年から今まで行ってきた国際協力事業を通じて海外展開を実施してみて、
海外展開する上で大切なことの方向性をしめしてみたいと思う。

ソーシャルビジネスの定義とは

ソーシャルビジネスは下記のように定義されています。

社会的企業=ソーシャルベンチャー、ソーシャルエンタープライズ と呼ぶ

①社会性:現在、解決が求められる社会的課題に取り組むことを事業活動のミッションにすること
②事業性:ミッションをビジネスの形にして継続的に事業活動を進めること
③革新性:新しい社会的商品、サービス、それを提供する仕組みを開発しそれを活用すること。その活動が社会に広がる事を通じて新しい社会的価値を創造すること。
(経産省のソーシャルビジネス研究会)

ソーシャルビジネスと一般企業の違いは、
目的が社会問題を解決できるか否かで決まる。
ボランティアやNPOとの違いは、
事業収益性や持続性があるかどうかの違いです。

国際協力事業を通じて海外人々の貧困や所得向上にアプローチする事、
そこから得られるビジネスモデルを事業化する方向性を見つけることを目指していました。

リスクのとらえ方

画像1

社会起業家=(我々)

問題を見てみぬふりをすること。
問題の存在を知ったのに
何も行動を起こさずやり過ごすことはリスクで危険なことと感じる。

一般の人 

その社会問題に対して、エキスパートでない素人の自分が足を突っ込む、
仕事を辞めてまで取り組むことをリスクと感じる。

自分がなにかすることで、自分の今あるものを失う事を考えたら、やりたい事ができない、自分は何もできなく、ネガティブな現実が続く。
つまり、企業に勤めるサラリーマンでは到底不可能な事となってしまう。

国際協力からの海外展開は、
よく考えたら企業として取り組みは、自分の利益を優先したら社会的活動はできない。

もしくは、ある程度の身分(つまり管理職のような身分)のまま、社会的活動を行う事は、会社にとっても迷惑である。
あの人は海外で何を目指していて、といくら社員に説明しても、
いつもあの人は会社にいなく、ただなんとなく海外に行っているとしか思われない。

結局

企業経営者は、目先の利益を優先し、
従業員は従属的に働き、会社のため経営者のために安い給料で働くしかない。

まさにこの状態が、合成の誤謬(ごびゅう)状態である。

個人のベストな選択(合理的な選択)をすることを
社会の多くの人が同じ様なベストな選択を行う状態でも、
逆にそれが、非合理な状態を生む状況になる。

ミクロは正しくても、マクロになると意図しない結果となる。

社会的ビジネスとして、よかれと国際協力しても、
会社全体の大多数になったとたん、正しい事が否定され、別の方向に進んでしまう。

合成の誤謬の例

画像2

販売部門(営業)は、売り上げに責任があるため、
限定販売プランよりも、薄利多売プランを選択する。

生産部門(工場)は、費用に責任があるため、
費用が高く品質も良いプランよりも、
費用が安く品質は並みのプランを選択する。

よって会社(経営者)の選択は、薄利多売で、品質が並みのプランが決定され企業活動を行う。

しかし、実は利益的には、
限定販売プランで費用もかけるが、品質も高いプランの方が利益率が高い結果が多いとのこと。

合成の誤謬の回避方法

・各部門に利益責任権限を与える(本来経営者がやるべきだが)
・他部門と協力する
・インセンティブを与える

などの方法があるが、
各部門間の責任者が能力ないと、成り立たない。

優秀な人材が10名集まれば、とんでもなく優秀な組織になるが、
それが100名、1000名となるとダメ組織となる。

つまり、自分が与えられた責任を完璧に果たそうとすると、真逆の結果となる。

ミクロの視点とマクロの視点で正しい行動を一致させることが重要。

個人や企業は、基本的に合理的な選択をしていく。
つまり、それが集まってしまうと経済がまわらない。
(貯蓄と消費の原理が合成の誤謬でよく使われる例)

政府が、非合理的な行動(誤った行動)をすることで、
借金してまで税の優遇措置をおこなったりするのは、
経済を回すために行う。

結論

画像3

中小企業の海外展開について考えると、海外先任者の思いが重要である。

情熱・・・海外が好きかどうか、あきらめない心、困難に打ち勝つ力
人脈・・・どれだけ人脈がつくれるか。現地ネットワークの大切さ。
時間・・・どれだけ時間をかけられるか。すぐに結果は出ない。

社長や経営者は海外担当をしない方が良い。

特に中小企業は、国内商売が基本であり、海外事業をおろそかにできない。
海外担当先任者であれば、できなかった場合でもそれで終わりにできる。

海外のような新規事業に関しては、失敗して当然と考える。

政府も中小企業の海外展開支援を積極的に行っているが、
なかなか企業が海外進出に成功しないことが多い。

半面、海外専任者の思いで、海外展開への筋道を描くことができれば、
ソーシャルビジネスへの一筋の光が見えてくるのではないでしょうか。

いつも最後まで読んで頂きありがとうございます。サポートしていただければ、いつも新鮮な魚を獲ってきてくれるインドネシア南スラウェシ州マカッサルの漁民達が少しでも生活が豊かになるような、国際協力に役立てさせていただきます。今はコロナでインドネシアに行けませんが来年から本格始動します。