「トランス女性は女性です」の意味と問題点。
Ⅰ 日本のTwitterの片隅で議論が活発になっているトランスジェンダーの話。実は、世界的にも大きな動きがある。
1.2019年5月の記事。WHOが性同一性障害を「精神障害」の分類から除外した
これは「差別が解消されることに期待を示した」と記事内にある通り、大きな一歩である。ちなみに(IDG-11)は2022年から効力を発揮するとある。
「日本では2004年に性同一性障害特例法が施行されました。」
「今回のWHOの決定を受けて、日本で今後、戸籍上の性別変更を望む当事者の方の扱いがどう変わっていくのかは、まだ未知数です。」
今現在、法律がどう変わるのか、とても重要な時期であることがよくわかります。
2.警鐘
同じOUT JAPAN の記事ですが、コロナ禍における今の状況で、と警鐘を鳴らしています。貧困に追い詰められる。社会に追い詰められている状態です。
コロナでは、本当にたくさんの人々が経済的に命の心配を、そして医療的な面でも不安を訴えています。とても大きな問題です。(ここには関係ないけど現政権は本当に仕事をして欲しい。)
3.石上さんへの批判
色々あがっているようだが、ひとつだけ。多くの女性たちが賛同の声をあげている。
こちらの最後にある文面を紹介したい。
『理解しあうためには恐らくもっともっと話し合いをたくさん重ねなければならない。[17]』
とあります。石上さんの結びと同じですね。話し合いを重ねなければならない、同意です。
Ⅱ 「トランスジェンダー女性/男性が差別されてはならない」という意味で(ネットで)使われている言葉だが、なぜ「トランス女性は女性です」と女性側にしか言及しないのか。
たくさんの人が説明している。ツイッターで起きた問題、とされているがこれらは世界的にも大きな問題でJKローリング氏も発言し、大きなニュースになった。
世界的に大きな問題であることは明々白々。日本でも。そしてツイッターでも。
1.ツイッターで起きた問題まとめ
問題点①
「トランス女性は女性です」のみが踏み絵として広まり、「差別は悪」というだけの感情で賛同する流れがあったこと。
問題点②
「トランス女性」の言葉の定義がなされていないこと。2018年から2020年のいまもずっと。
問題点③
差別はいけません!と2年経っても未だに短絡的に踏み絵を踏ませるスタイルが流行していること。
問題点④ 別々の話が同時に語られるのは、混乱を大きくする。
④−1 ”LGB” は性指向のこと。身体はそのままである。そしてもっとも違うのは”T” は身体のことが問題である点。元々、一緒にしてはいけない話だという指摘はずっとあった。今回も混同されて非常にわかりにくくなっている。LGBの話と、Tの話は別に論じることを提案します。
④−2 安全が脅かされる懸念であり、差別の話ではない。この点も指摘されているが、話を「差別だー!」としか取り合わない人の多さが異常だ。安全の話と差別の話、別々の階層の問題だというのに。違うものを一緒にして論じようとするのはあえて混乱させようとしているのかと思われても仕方がないのでは。混乱させないために、別々に分けましょう。混ぜるな危険!!
問題点⑤
「トランス女性は女性です」とだけ言われてトランス男性の話がでてこないのは、女性のスペースでの犯罪への懸念事項があるから。男性スペースにとって、トランス男性は問題にならない。
トランス男性は男性スペースに問題なく入れる。この不均衡、「差別だ」と指摘されるこの点こそが、男女の力の差であり、男女差別、男性から女性への性的な加害が解決されていないからこそ出てくる話であり、キーポイントである。尚トランス女性が犯罪をする可能性があるからということではなく、男性が女性スペースに入り込み、犯罪を行っている件数の多さから、女性たちが心配している全く正当な主張を差別だとすり替える手法はもうやめていただきたい。
2.「トランス女性」の定義は?
この疑問に答えるものは未だ現れません。
『定義をしようとすること自体が差別である!差別をするな!』
『とても繊細なことであり単純な問題ではない。このことを語ると差別になるから語るのすらいけない 』という主張も。
海外では、KILL TERF!そして「議論を受け付けない!」というのがスローガンになっており、議論はしない、でも差別をするな、受け入れろの大合唱だ。
”トランスジェンダー女性/男性”
上記の書き方が今一番良いのではないか、というのは藤高氏の表記をみても思った。
トランスジェンダーを両方の性でもあるというオードリー・タン氏の記事を読んでその思いはもっと強くなった。
女性/男性の二元の分け方では対応しきれなくなっている。
トランスジェンダーの人が好きに生きる道をこれから話し合うべきで、差別はあってはならない。また冒頭でWHOの紹介をしました。トランスジェンダーは新しい性として、まだハッキリと決められないまま各国で様々な議論や挑戦がなされている。
トランス=乗り越えるという意味の通り、トランス途中の人もいる。トランスはしないでも今のままで満足という人も。
トランスジェンダーは様々な段階の人がいる。だから、定義をしようという話し自体が無茶苦茶な差別であるという主張もある。
3.定義出来ない「トランス女性」定義しないまま「女性として認めよ」というのはどういう意味を持つのか。そもそも成り立つ?
言葉の定義は大事です。その基本的なところから。定義が違えば当然議論は成り立ちません。
状態が個人個人違う。そうですね。それぞれ違うでしょう。移行の段階や持病でも、金銭的な面、未成年の子どものあるなし。特例法により、様々なことが現在、決まっています。戸籍変更についての条件も。
定義ができないものである。
その定義ができないまま、「定義はできない。でも、認めないのは差別」というのはおかしくないですか?
トランス女性はアンブレラタームであり、多様である。
「身体は男性、男性器があるが女性の格好をする人」
「手術して、男性器をとった人」
「手術をして、女性器の形成をしている人」(戸籍変更もしている場合もある)
「ホルモン療法のみで男性器がついたままの人」
定義するのは難しい、段階があるという話もありました。
本人の病気や金額的な問題、様々に人によって違うので、定義は本当に困難である。それを他者がしてはならないことも。
※同じ理由で「シス女性、シス男性」いうのも本人が言わない限り、他者が使うのは不当と考えます。トランスの意思を表明していないだけでトランスジェンダーかも知れない人を勝手にシスだというのも問題なので。
定義が出来ないはずの「トランス女性」なのに「トランス女性は女性です」と断定しようとするのはなぜなのか。
トランス女性の定義。
基本的にはもう広義のトランスジェンダーはこう、狭義のトランスジェンダーはこうと定義はなされている。ただし変更は多い。次々と変わってゆくようだ。
トランスジェンダーはアンブレラタームである、というのも随分知られてきた。
けれど2018年の議論が活発になった時から、これまでに回答は得られていない。もしもあったらぜひ教えてください。
「トランス女性」という中には、トランスセクシャルからトランスヴェスタイトと様々な人が含まれる。
差別してはならないし、本人が一番納得できる状態になることが大切なことだと思う。トランスジェンダーである事を理由に就職が出来ないなどということはあってはならない。
その事と「女性スペースにトランスジェンダー女性を受け入れるかどうか」がいつの間にか同時に語られるようになっていることが大問題。[問題点④−1]
◉女性スペースにトランスジェンダー女性を受け入れないのは差別!トランス女性を女性ですと認めないのは差別!あなたは差別をしないよね!
⬇️
◎差別をしないのであれば当然、女性スペース(女性トイレ・女湯)はトランス女性を受け入れるべき!受け入れますよね!
ここの、◉→◎への展開が一足飛びすぎる。そこにちょっと待って欲しい、トランス女性とは?定義はありますか、女性スペースに受け入れるというのは問題があるのではと疑問を呈した人間が「TERF」だと定義つけられてしまった。
そこから、TERFは差別主事者、トランス排除の煽動者と結び付けられたが間違っていませんか?
Ⅲ 【安全性の確保】今現在安全ではないのに女性スペースは安全だと言い切った人もいた。それは現実が見えていないだけ。
1.TERFと言われる側の主張は、心配と恐怖。
(1)安全性の確保が今現在ない
「性犯罪が多発する現在において何も対策なく、トランスジェンダーを女性スペースに受け入れることになった場合、犯罪者が容易に犯行に手を染めて被害者が増えるのでは」という心配事項。
性犯罪が全くない世界だったら、このような議論がなされなくても女性スペースに受け入れて問題がなかっただろう。しかし現在性被害は数多くあり、再犯は防げず、罰せられず、女性や子どもたち(男女問わず)は酷い目に遭い続けている。
※これは恐怖を語った差別などではありません。恐怖を語ると差別という短絡的思考は一回捨ててください。
たくさんの性犯罪のニュースが流れてきます。判決では性犯罪が不起訴になったというニュースが。度重なる酷い現状に耐えかねてフラワーデモが始まった。その状況を指して、この国は安全だという人は何をみていらっしゃるのか。
(2)TERFを批判する人は”恐怖”を差別だという。トランスジェンダーを犯罪者というのか、と。待て待て。そんなことは言っていません。
非常に巧妙なすり替えが行われた。恐怖を語ることが「トランスジェンダー女性を犯罪者というのか」と。違いますよね。わかってますよね?
「犯罪者が女性スペースにはいってくる現実があり、被害に逢っている人がいる。現在防げていない惨状が広がることへの真っ当な懸念」
その懸念を「トランスジェンダー女性を犯罪者扱いするな」と言われました。繰り返すが、違う。
「無知を装った上でトランス排除をしようとする悪質な言説」とも言われた。違う、トランスジェンダー排除など望まない。望むのは犯罪者を排除すること。
安全な世界にすること。
(3)ターフを殴れ、ころせというのをみたことがない、あまり知らないという意見もあった。なので貼り付けておきます。Twitterを検索したらでてきます。
(4)TERFと言われたくない人は「トランス女性は女性です」を唱えた。まるで南無阿弥陀仏みたいだね、極楽浄土にいけるのでしょう。
それまで差別はいけない、差別をするのはやめようと主張していた人たちがパカっと割れた。まるでモーゼの海が割れる場面のようだった。
唖然としました。
「トランス女性は女性です」と言わないの?あなたは差別主義者だったの?フェミニストでしょう?女性の差別を是正するのでしょう?それならば「トランス女性は女性です」と言わなくてはいけない。差別をやめて!学べ!知らないなら口を塞げ!恥を知れ!
こんな言葉が多くみられました。あの時期は精神的にとてもキツかった。
話し合いが必要だ。田中玲さんの、石上さんのいう通り。
話をしましょう。それは差別!恥を知れ!と繰り返すのではなく。
2.安全にするためにどうしたら良いか。それは、日本社会が本気になること。
(1)日本の女性・子どもを取り巻く状況はあまりにひどい。
ツイッターを始めるまで知らなかったけれど、日本はポルノ大国であり、日本のAVは世界中に広まっており、日本女性はイヤイヤ言いながらもセックスが大好きで強姦しても喜ぶという変わった人たちである。…という説があるらしい。
痴漢をするために日本へ来た海外の人。
レイプしても喜ぶんでしょ?と性風俗へ来た海外の人。
白昼堂々、鉄道のホームでレイプされる事件。(御堂筋線の事件)
性犯罪にあったと言えば自衛が足りないのではと責められて性被害の告発すらままならない。
やっとの思いで訴えても不起訴になる。
裁判をすることで本名を加害者に知られてしまう。
女性たちの被害をたいしたことがないと放置し続ける日本社会に本当に絶望的な気持ちで、しかし次の世代の子どもたちに少しでもましな世界にしたいんですよ。マジで。
(2)2020年の法改正。13歳という低すぎる性行為同意年齢の引き揚げ。抗拒不能要件の撤廃。
法律を変えること。今、もしかしたら話し合われているかも知れない。性犯罪をなくすためにはどうしたら良いか。正しく裁かれるにはどのように法律を変えるべきか。
とにかく変わって欲しい。簡単に性犯罪をすることができ、そして裁かれない現状は性犯罪への軽視、ハードルを下げ、手を染め易くする悪化する方向へ誘導しているとしか思えない。
法律を変えて、性犯罪を絶対にしてはならないと、俗にいう「性犯罪をしたら人生が終わった」というくらいにすべきなのではないかと思う。現実はすぐに日常へもどり、再犯する性犯罪者にやさしい世界だ。
そうであるから、女性たちは懸念を表明せざるを得なかった。
自分だけではなく、子どもたちが性被害にあうのは、本当に耐えられない。もしも「トランス女性は女性です」を受け入れて、男性器がある女性もいます、そして公衆浴場で男性器がある人を恐れてはならないという概念から子どもが差別をしてはならないと逃げずにそのために性被害にあったとしたら。
自分は一生自分を許せないだろう。
悪いのは、あくまでも犯罪者だ。犯罪を行うものが悪い。トランスジェンダーには何も罪はない。
トランスジェンダーが犯罪者だというのか、と責められるかも知れないが、そうではないと繰り返し伝えてきた。
「トランスジェンダーを悪用する人がでる」実際に女湯に入り込んだ人がそう訴えている事件もある。
https://www.excite.co.jp/news/article/Weeklyjn_22125/
だから、安全を確保してくださいと重ねて申し上げる。
女性にとって安全ではない現実の社会で、さらに安全ではなくするのは、誰のためなのか。当のトランスジェンダー女性も被害にあうだろう。当たり前だが加害者は男性だ。
『女性たちからのトランス排除が起きている。』それは本当に真実だろうか。トランスジェンダーが排除されているのは、【男性社会から】ではないか。男性たちがトランスジェンダー女性を受け入れない。
だから、女性のスペースへ押しやられてきた。女性たちはそれを安全ではなくなるから、イヤだと拒否した。その拒否を排除と言い換えられた。
幾重ものねじれが生じている。
弱いものの安全を守ろうとしている女性たちが、「シス女性はトランス女性を排除しようとしている」として今、糾弾されている。
本当に、そうなのでしょうか。
Ⅳ 問題の本質に立ち返りませんか?優先順位をつけるということではなく、根源的な問題に取り組みが必要だと提起します。
1.トランスジェンダー差別と女性差別が対立しているどうこうではなく、社会的な構造的差別があること。
女性たちは男性から加害される話をしている。安全ではないという現状。
トランスジェンダーはトランスジェンダーが排除される話をしています。
これは双方とも男性中心社会において、阻害されているのはmale以外「男性以外」であるという事実を示しています。
なぜか。男性中心の社会であるからです。
その責任を、Female(女性)へと向けられているのが、「トランスジェンダーが排除されている」というもの。その最も象徴的なのが、WANへの攻撃。
WANは「ウィメンズアクションネットワーク」
多様な様々な女性たちの集まりです。とにかく男性社会において不利な女性たちよ、繋がろう、というのがコンセプト。
その通り、良く言われるように一人一派。共通の見解などないに等しい。だからこそ数年前に「トランス女性は女性です」の署名が集められたともいえる。その時にWANとしての共通見解だと表明されましたか?ありませんでしたよね。
そして今回、石上卯乃さんの意見が投稿されました。
ここから「これはおかしい!WANとしての回答を!」と迫ってる方々。
本当にはわかっているのではないですか?WANは一枚岩ではありません、というところ。それなのになぜ「正式な回答を!」と迫るのだろうか。
何をどのようにしたいのか。
2.「差別だ!」と決めつけるのをやめてください。
田中玲さんと石上さんがおっしゃったように議論が不足しています。誤解もたくさんあります。話し合いが必要なのです。
差別だと断じるのをやめてください。
何が問題なのか、ツイッターで語られた懸念がなぜ出てきたのか。
丁寧な話し合いが必要です。
あなたたちが高尚に「これこれこういうのは差別、だから差別はしてはいけない」ということは何か意味があるでしょうか。
トランスジェンダーが排除されているのは具体的にはどこからですか?
トランスジェンダーが排除されない社会を作りましょう。女性たちは喜んで協力すると思います。排除され続けて辛かった性だからです。
どうか、お願いします。石上さんを責めるのをやめてください。
3.トランスジェンダーも、女性も、排除されることなく真に平等な社会を作るには、全ての人間の尊重が必要。
個人を糾弾してきて、得るものはありましたか?
男性中心社会をまず直すことが必要ですよね。そして差別されている人が差別されない社会を目指すこと。
WANへの攻撃も見るに耐えません。バラバラな個人の集まりだというのはもう周知の事実だったのではないですか?もちろん姿勢や編集担当への責任というものはあったでしょう。けれど、それよりも自由に意見を言えることを尊重し続けてきた、女性ならではの視点があるのだと思う。
WANは色々な意見の発信ができるプラットホームを目指してきた。だから統一の見解を、と迫られるのはとても驚いているだろうと予想します。(寝耳にミミズくらい驚いていらっしゃることでしょう。)←寝耳に水!って知っているよ、もじりですよ!
4. お願いします。あなたの意見を聞かせてください。
2018年よりずいぶん状況はよくなりました。意見を言ったからといって突然アカウントを削除せよ!とはいわれなくなりました。
シス女性がトランス女性を排除する!
フェミニストたちがトランス女性を排除する!
この流れ、とてもおかしいと自分は思いました。そうじゃない。その理由は本文に書きました。あなたはどうお考えになりますか?
どうか、 #ともにあるフェミニズム というなら、女性を排除しないでください、と申し上げます。
議論はいくらでも受け付けます。たくさんの人と、たくさんの話し合いが必要だと考えています。noteコメント、ツイッターアカウント @quzi23 くじらまででもどうぞ。(お時間をいただく場合もあります事はご了承ください)
より良い社会を。
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