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「プレイング」ディレクターの悲哀

制作者は現場に入って数年すると、プロジェクトを任せられるようになる。 今まで1日を制作だけに充てていたのに、管理(ディレクション)もしなければならなくなる。 制作と管理の両立は難しく、片方を立てればもう片方が下がる「トレードオフ」の関係になっている。 ディレクションは大切な仕事で、そもそも正しい交通整理ができないとプロジェクト自体が上手く進まない。 しかし、常に新しい情報を仕入れていないと知識がすぐに陳腐化してしまい、製品の質が下がってしまう。 ディレクションを突き詰めれ

    • 二つの価格

      WEBやデザインに限らず、制作部門は1つの「工場」と似た構造を持っていると感じていて、自分が業務の管理や効率化に悩んでいたころ、答えを求めて様々な本を読み漁った。 その中で今も折に触れ読み返し、日々の実践の参考としている本がある。名著と呼ばれる「The Goal」(ザ・ゴール)だ。 TOCと呼ばれる手法で工場を3ヶ月で立て直す物語だ。 企業の目的とは「お金を儲けること」であり、その目的に対して非効率になっている「ボトルネック」を見つけ、それを管理していく。 内容が小説仕立て

      • 「共感」を生み出す「隙」

        人は音楽・映画・漫画・など、様々なものに共感し感動する。この「共感」という心の感情はどんなものなんだろうか。 以前漫画家の浅尾いにお氏がテレビ番組で次のように言っていた。 あまり精緻に描くと人は物語に入り込めない。だからあえてアナログの余幅を作りに行く。 この「余幅」という言葉に当時とても感銘をうけたことを覚えている。 完璧すぎる描写には、共感し感情移入できる隙が無いことを、ユーザーの反応から感じ取っていた。 また、別番組でタモリが次のようなことを言っていた。 神社

        • お客様が望むもの、本当の理解

          WEBディレクターも長くやっていると、新しいWEBサービスを導入してもお客様が使いこなせない雰囲気が分かり、もったいないと感じることがある。 ITが生活に深く入りこんでいるにも関わらず、いつもきまって、最後にはWEBは全く効果が上がらないと言われてしまう。 長年このパラドックスを自分の不甲斐なさ、能力の足りなさだと思っていた。でも、いくら自分で納得のいくものが出来ても答えが変わらない。 考えた末に一つの結論に達した。 すべてを新しくするプロジェクトでは先出の「効果が上がら

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        • ウェブアナリスト
          4本

        記事

          WEBディレクターに求められること

          WEBディレクターとして10年目の節目を迎えたので、この仕事に求められることをまとめておきたい。 WEBディレクターに求められること。 1.お客様の悩みをITの力で解決すること。 2.製品が売り上げに貢献しているか的確に判断すること。 3.売り上げに貢献するための努力(経費削減・効率アップ) この3つは10年たってやっと見えてきたものなので、重要な要素だと思う。 それぞれの相関関係はこのような形になっている。 1=2=3 お客様の悩みをITの力で解決するには、製品が

          WEBディレクターに求められること

          ウエブアナリストの作業プロセス

          ソフトバンクテクノロジー社で行われた「小川卓 ウエブアナリストの成長戦略を考える」セミナーに参加しました。 ウェブアナリストとして、WEB解析ではトップを走り続ける小川氏ですが、彼の業務に対する姿勢とウェブアナリスト成長の道筋を自らの体験を基に語る貴重なセミナーとなりました。 分析業務手順と姿勢1サイトにかける時間はおおよそ12~20時間、人日計算にすると2・3日程度といったところでしょうか。 まず分析対象となるサイトを徹底的に使い倒し、自分がユーザーとして客観的に感じた

          ウエブアナリストの作業プロセス