column#2 アイドル楽曲大賞2022と、23年への期待

※新たにコラムをスタートした。これはマーケティングという多数のNの最大公約数を考えるものではなく、食前舌語(もちろん本当は別の名前でオタクをしています)というN=1の等身大を深掘ることで、そのオタクの行動原理などをさらに鮮明なものにしたい、という試みである。
そのため、この企画ではマーケティングなどの一般論に帰結せず。常にN=1の個人的感性を重要視して記載していきたい。

毎年お馴染みのアイドル楽曲大賞。
簡単にいうと、有志のアイドルファンがその年にリリースした全てのアイドルの楽曲から投票し、今年一番良かった楽曲を決めるものである

人それぞれ、さまざまな投票基準があると思うが、私の基準は「その年を代表できるか、何かのドラマがあるか」であり、少し楽曲そのものの良さから外れてしまった点は反省である。

今回は、メジャーアイドル部門などは投票せず、インディーズ&地方アイドルに限定して投票した。

結果への所感

今年の結果について

昨年度優勝のタイトル未定は3位とさすがの順位。
今年はTIFのメインステージ争奪戦で優勝するなど、さらに楽曲派のメインストリームを突き進んでいく印象。

そして、過去初めて同率1位で選出されたのがFRUITS ZIPPERfishbowlである。
FRUITS ZIPPERはASOBISYSTEMが今年デビューさせたアイドル。キャッチーな楽曲とともに、多彩な可能性を感じさせてくれる。
一方fishbowlは静岡を中心に活動するアイドルであるが、タイトル未定と同様徐々に力をつけてきており、来年度のショーレースでも期待していきたい。

ヤマモトショウさんすごすぎる…

オタク友達からずっとこの人を紹介されていたので本当に気になりながら結局「オレ別に作曲家とか全くわかっていないし…」と思っていたけど、このYouTubeでしっかり見ていくと本当に「かわいいを作る」とは何か?をすごく感じられる動画です。

個人投票について解説

1位 わたしの一番かわいいところ / FRUITS ZIPPER

まず、このグループってインディースなのか…チートじゃねぇか…って印象、それくらい地下アイドルという枠ではすでに語れないほどグループも急成長を遂げている。

このグループの特徴は「圧倒的な意識の高さ」と「楽曲のレベルの高さ」に集約されると感じる。
もちろんパフォーマンス能力なども目に見張るものがあるが、実はデビューして間もないころを見た経験から伝えると、パフォーマンスのレベルは上がっているように感じる。

さて、その中でやはりこの曲の凄さは、サビの直前に入る「ねーねーねー」である。
この曲はTikTokでのバズりを見せたわけだが、TikTokという媒体の特性上、今まで以上に動画/音声をスキップされるスピードが早くなった。
例えばYouTubeであれば一番くらいまでは聞くだろうし、サブスクでもサビの1-2フレーズくらいは聴くものである。
なんならもっと前であればTVCMに合わせて、いかに15秒にまとめるか、もスキルの一つであった。
一方でTikTokはスキップしやすいUIだかこそ、体感3秒程度で動画を変えていくため、この3秒でどこまでキャッチーさを残せるかが戦いなのである。
この点において、この曲は今年のアイドルの楽曲の中で最も優れていると言って良い。

また、実はもう一つ凄いところして「手元でできる振り」もあげられる。
TikTokが縦型動画である上で、特にスキルよりも顔などの顔面が瞬時に判断される特性上、ダンス動画(全身)よりも手元だけ(上半身より上のみ)の楽曲が好まれる。
その中で、この曲はもちろん全身の振りがありつつも、手元でしっかり振りが見せらる。

TikTokに特化した、今の時代に最も適応きた、という観点では、2022年でこの曲に勝るものは見当たらない。

個人的に一番凄いと思うのは「戦略性」である。
やはり考え抜かれた賢さが漂いすぎている。
ただでさえHoneyWorks並みの「女の子に歌ってほしい曲」、というか「ねーねーねー」の爆発力凄すぎて、楽曲としても強すぎる。
(唯一言うなら、なんで2番のサビ振り違うんだ、そっち知らんよ…)

2位 正夢の少女 / かすみ草とステラ

2022年はまねき卒業・ニジマス解散と大きなトピックが地下アイドル界隈を震撼させた中で、改めて地下アイドルの台頭が目立った年でもある。

その中でそれこそタイトル未定は21年の楽曲大賞で優勝していたりその兆候が見れた中で、最も成長を見せたのが夏初で優勝したかすてらではなかろうか?

特に頭の中で映像化しやすい楽曲が多い中で、特にこの楽曲は儚いアイドル像を見せつつもしっかりと前に進む今年度の彼女たちをしっかりとらえることができた。
特に夏初1日目に披露された際の「これから見える景色はどんな結末だろう」という歌詞が、あまりに状況とマッチしていて、あのシーンはドラマ性含めて、かすてらの今年のベストだったと考えている。

10月のワンマンも非常にギミックに富んでおり、来年度も注目すべきアイドルであると感じている。
1/9の川崎のワンマンライブもコンセプトライブだということで、表現力や舞台装飾の更なる尖りが楽しみで仕方ない。

記事はこちら。

3位 絶対猛信デイドリーマー / Appare!

やはりAppare!(というより天晴れ原宿)のイメージは「ピンチケが暴れて楽しい」というイメージだった。
ただ、それは20年初めまででしかなく、やはりコロナはAppare!に対しものすごい逆風だったと感じる。

しかし、昨年の日比谷野音で行われたワンマンライブは、本当に素晴らしいライブだった。
コロナで完全に方向を変えることは簡単なものの、やはりお客さんは離れてしまう。

その一方で、Appare!はコロナ前の楽しさは残しつつ、今の時代にあった最適な楽しみ方を提供してくれていると感じた。
ただ人が動いて怪我をして、ではなくて、振りコピなども合わせてただ若い男性だけではなく、さまざまな立場の人が、恥ずかしさも感じず一緒に馬鹿できる、最高の環境ではなかろうか?

という中で、なんかジャンボリーミッキーと振りが似てて、さらにみんな楽しみやすいという点で、この曲を推薦させていただいた。

4位 Stardust story / 衛星とカラテア

完全にハマったっていうだけなんですが、衛星とカラテアさん、2度しか生でライブを見る機会に恵まれなかったものの、なんかの機会で話を聞いて、気になってライブ見たらこの曲が本当に素晴らしくて、それからずっとサブスクで聴いてました。

グループコンセプトの「小さな幸せ」や、メンバーのお姉さん感はもちろんなのだが、特にこの曲はその雰囲気を最も出していて、聴いていて優しさに包まれる。

本当に疲れた時にこの曲を聴いて何度癒されたことか。
こういう時に推しメンの顔見ながら推しメンの曲聴かないの、ひねくれてるよな…

5位 2022 (#BFF) / uijin

uijin、復活おめでとう!!!!!!!!
僕らのneo tokyo。

この界隈の最高峰にして、NEO JAPONISMなどが永遠に越えられない世界に達してしまっていた、もはや伝説。
もともと2020という持ち曲からのオマージュもありつつ、新しさもすごく感じつつ、ただ一貫したuijinは持ち続けている。

uijinは、というよりもたまPは、「今顧客に何を当てて、何を展開すると喜んでもらえるか、ワクワクさせれるか」の天才である。
あの新木場までの2-3年をここまでドラマティックに描き切った天才が、2023年に何を生み出してくれるのか、非常に期待の高さも含めての選出となる。

食前舌語個人が来年期待しているアイドル

まぁ時々は食前舌語だけでなく、中の人の本性見せていってもいいかなということで。

真っ白なキャンバス
周年のようなコンセプトライブと、河口湖のような楽しさ全振りの2面性をどこまで追求できるかにかかってそう。
ただ、ポジションとしてもっとどちらの面もアイドル業界に伝えられれば、おそらく唯一無二の立場にもいけるし、地下アイドルではまねき/虹鱒レベルに持っていけそう。

かすみ草とステラ
こっちは伸び続けてるなぁって中での大青春祭の評価の高さから、これからもさらに伸びていきそう。
あと新メンバーがどこまで即戦力かによっては、一気に上へ伸びていきそう。

まねきケチャ
さすがに最後かましてくれるよな…
このままなーなーで卒業していくのかな…

のらりくらり、4次元コンパス、Utage!、などなど
最近話題ですよねーってことで。楽しい現場に人気が集まり始めるのは、18年とかを彷彿とさせて、少し嬉しい昔からの人間。

もし食前舌語が誰かわかったら全然声掛けてください。

宣伝:アイドルに関するnoteを書いてる人のコミュニティ作りました。

なんかの深夜ノリで、作ってます。

結構抜け漏れ多い気がしているので、ご興味の方はぜひ入ってください…!
普通に議論とかしたいし、ただ記事宣伝するだけでいいので!
(そんなnote開いてタイムライン確認しないしね)

閑話休題

食前舌語は楽曲派に疎い。

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