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旅行先で

久しぶりの海を見た 感じた しっかりと波が満ち引きをしているのを目の前で体で感じた 波の音は心地よさと時々少しの恐怖感を与えてくれる 海岸を少し歩いた ここは砂浜ではなく河原にあるような手の平サイズの石が敷き詰められたような場所だ 岩場と砂浜の間のようだ 少しゴツゴツとするが座り込んでみる 姿勢が安定する場所を見つけるとともいい気がした 砂浜のように砂まみれになることもなく岩場のように痛いわけでもないこれは発見である 波の音にも慣れて落ち着いたので寝転がってみる 空にはところどころ雲が点在し薄色の青が広がっている たまにカモか鵜のような鳥が空を横切る 遠くを眺めれば猛禽類の鳥が旋回を繰り返し飛んでいる 今日はとても穏やかな気候で過ごしやすい 鳥達も気持ち良さを感じているのだろうか 持ってきた文庫本を開き読んでみる 雪山に友人を探しに行く物語 1章ぶんくらいを読んであたりを見渡す 少し離れた場所で一人が靴を手に持ち波打ち際に立っている その人はラジオ体操の深呼吸のように手を広げて空と海と波を感じているようだ 不自然ででもとても自然だと思った 私なら行動から恥ずかしさのようなものが滲み出して遠くからでも誰かに気取られるような気がする 嗚呼あの人に話しかけてみたい しかし特に用もなく話しかけるなんてただのナンパではないか どう話しかけようか話しかけてもどう掘り下げればいいのか見当もつかないなどと一通り思い悩んだ結果私は石の上に座り始めた彼女の前を横切り今日の宿へと帰った

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