婚姻編 16回目 ⑳

では、外国籍(重国籍)Eさんが

日本国籍と、ほかの外国籍をもっていた

場合はどうでしょうか?

この場合は、一番最後の基準である

「その国籍国のうちいずれかが日本の国籍で

あるときは日本法を当事者の本国法とする」

という規定になります。

つまり、常居所が確定であっても、

密接地が日本ではなくても

日本国籍をもっているなら日本法を基準として

考えるということになります。

やはり、国籍というのは身分制度における

基本中の基本であり、一番重要なものですから

ここの特定がすべての手続きの基本になります。

しかし、日本の感覚ではなかなか理解が及ばない

ことが世界にはたくさんあります。

この「国籍」というものを少し考えてみると

生まれれば当然に国籍が得られるか?

といえばそういった制度のところもありますが、

のべつ幕なしに国籍を与えてしまうと国として

国民の制度管理システムが機能しなくなる

可能性があるので必ず何かしらの条件や手続きが

必要になります。

そして、生まれ持って国籍を付与するための

考え方には二つの考え方があります。

「生地主義」と「血統主義」の二つがあります。

「生地主義」とは、字のごとくで、「生まれた土地」

を基準として国籍を付与されるという考え方です。

自国の領土内で、生まれた子には国籍が付与されるので

その国内で出産すればよい。ということになります。

アメリカ、ブラジル、アルゼンチンなどが生地主義の

とされています。

・「血統主義」とは、

血統、血縁を基準として国籍を付与する考え方です。

これは、その子の親が、その国の国籍をもっていれば

子供は親と同じ国籍を付与させるということになります。

ただ、この血縁、血統を基準としている「血統主義」ですが

「親」であっても、「父」か「母」か、で分かれている場合も

あります。


つまり、「父」が自国民でなければその子には国籍を付与しない。
という考え方を「父系血統主義」といい
「母」が自国民でなければその子には国籍を付与しないという
考え方を「母系血統主義」といいます。
ちなみに日本は、この両方を取り入れています
「父母両系血統主義」といいます。
つまり、父親でも母親でもどちらかが、日本国籍をもっていれば
その子には日本国籍が付与されるということです。
色々な国で、様々な宗教や文化があるので、どちらかが・・・・