婚姻編 2回目 ⑥

前回書いた内容は、「実質的成立要件」と

言われるものになります。

「婚姻」を「実質的に」「有効に

成立させるための条件です。

「実質的」+「有効」=「婚姻」
前回、最後にさらっと書いてしまいましたが

「日本の役所で婚姻届を提出して」

これが、「形式的成立要件」と呼ばれる

ものになります。

この形式的成立要件は、

どういった手続きをすると正式に婚姻が成立するか

ということです。つまり手続きの条件です。

では、この手続きは「どこ」ですればいいのでしょうか?

日本でしょうか?Bさんの本国でしょうか?

この「どこで?」

に関しては、国際結婚の場合、国際法では

婚姻挙行地の法による」となっています。

すなわち、「結婚をする土地」の法律を基準として

判断するとなっています。
AさんとBさんが日本で結婚をする場合は、

日本法になります。

Bさんの本国でする場合は、Bさんの本国法になります。

この「婚姻挙行」は、「結婚式」

意味ではありません

あくまでも「婚姻が法的に有効に成立」する手続きのこと

ですので、日本では、「婚姻届を届出」を

することが法的に有効に成立する「婚姻挙行」になります。

この婚姻挙行は、Bさんの本国法で有効なのであれば

Bさんの本国方法でもOkですし、

Aさんの本国法である日本法で

有効なのであれば日本式でも構わないということです。

この「実質的成立要件」「形式的成立要件」二つを

クリアすることではじめてAさん、Bさんは、

有効に婚姻をすることができると言えます

ですので、

・日本人のAさんは、民法上の条件をクリア。

・BさんもB本国法上の婚姻条件をクリア。

・日本法とBさん本国法のお互いに満たさなければいけない

条件もクリア

・日本の正式な手続きをしてクリア。

これだけのハードルを乗り越えることで、

晴れて合法的にAB夫婦の誕生となります。

ただ、ここでちょっと注意事項があります。

・日本人Aさんが、

日本で外国籍の方と結婚しようとするときは

日本法に従った方法をとらなければいけない

という注意書きがつきます。
たとえば、Aさん、Bさんが、日本にあるBさんの

本国大使館でBさん本国方式の婚姻挙行を有効に

成立させた場合です。

確かに、この場合、大使館の敷地内は、B国ですから

B国法律上は、婚姻関係が有効に成立していますが、

日本人のAさんが日本にいる状態ですので、

この大使館で婚姻したことで、そのまま住所地の

日本の役所に行って

「BさんとB国方式の婚姻が有効に成立したので、

戸籍に記載してください」

といっても、役所では受け付けてもらえません。

それは注意書きの部分があるからです。

Aさんが、

①日本人で、

②日本で結婚するのであれば、

③日本の法律で

なければいけないとなっているからです。

ですので、B国ではAさんも正式な奥さんですが、

日本では未婚になります。

もし、Bさん国式でも、日本式でも、日本において有効な婚姻を

するのであれば、B国大使館で有効な婚姻をして、さらに

日本の役所にも行き有効な日本式の「婚姻届」も出す、
ということになります。