婚姻編 5回目 ⑨
世界各国は本当に様々行政システムがあります。
そもそも行政システムは、その土地の国家が
国家運営を行う上で設置し、
その土地に住む人々の生活にあわせたものですから
当然です。
その行政ステムにおいてなされる国民を公的に証明する
制度は多種多様なので日本が求める要件を必ずしも
満たしているものばかりではないです。
(その国の国内システムでは十分な証明力があっても)
前回書いた日本以外での国で婚姻を成立させた場合
に添付する必要がある婚姻証明書が、
本国で発行されない。
本国に発行する機関がない。
ということもあります。
その場合はどうすればいいのか?
アメリカなどの一部の国では
一つの方法として認めらているのは
・「宣誓書」
アメリカの場合、日本の領事館で
領事の面前で本人が本国法の要件の備えており
身分行為に法律に問題がないことを宣誓し、
その内容を領事が署名した宣誓書を
発行することで証明書に替えることが
できるとしています。
(昭和34/1/30民事甲168号 セイロン人
昭和59/2/10民ニ720号 イラン人
昭和62/2/9民二381号 モロッコ人
平成6/10/5民二6426号 パキスタン人)
(渉外戸籍実務研究会「渉外戸籍実務の処理」238項)
この宣誓書も使えない。
もしくは宣誓書が発行されない場合は、
本国法の身分法、
民法など身分行為に関する法律内容の出典を記した本文と、
その翻訳文をもって、実質的成立要件、形式的成立要件を
明確にして、それらを証明する書面が必要になります。
この段階まで来るとかなりのレア案件になり
ケースバイケースになってくるので、
役所側も法務局や本省への問い合わせになってくると思うので、
時間がかかると思われます。
事前に連絡して相談するのは、手続きをスムーズに進める
ための方法かもしれません。
もし、本国が、まったく身分関係にかんする証明書が
発行できない、しない場合(この場合は、そもそも
日本に来るためのVISAの発給、本国と日本との
国交の問題もある)などは、レアケ―スですので、
やはり事前の相談調整が必要になってきます。