サラシナコハル

カクヨムにも、小説を載せています。 https://kakuyomu.jp/users…

サラシナコハル

カクヨムにも、小説を載せています。 https://kakuyomu.jp/users/kuwentorow

最近の記事

オーサカに異世界召喚された関東人

 関東から一歩も出たことが無い、そういうレベルの関東人が、幸運なことに正社員として拾ってもらった。  場所は大阪。  もはや不安が、というレベルではなかった。  コロナ渦において、書店でのアルバイトに弊害をきたす出来事があった。  日常生活に問題が無い程度の難聴という、なんだかよくわからない症状を生まれつき持っていたためだ。  さすがに無音で接客はつらかった。  ということで、バイトを辞めた。  さて、次はどうしようかと考え、年齢的なこともあって正社員の募集を探

    • 絶対に死なせないマン

       思えば、ろくなことが無かった。  中学に入ってすぐいじめが始まった。  県外の高校に進んでもそれは繰り返された。正直もう疲れた。  だから、屋上から飛ぶのがせめてもの抵抗で――。 「そんなあなたにコチラのプラン!」  ……せめてもの抵抗で。 「今ならなんと、バラ色の未来をゲットするチャンスが手に入る!」 「なんだよもう、うさんくさいなぁ!」  本当に意味が分からなかった。  いきなり声をかけられた時は、驚いて足を滑らせそうになった。  見た目は30代のサ

      • なんでも売買! 街の便利なお店です!4(終)

         あまりいい手が思いつかなかったので、火事を起こしてみました。  慌てた人たちが次々と部屋を出ていってしまいました。 「嘘でしょ」  もう少し手間取ると思ったのですが、カギを開けたまま一目散に逃げていくのです。  ますます、あの紳士が手間取った理由が分かりません。 「まぁ、よしとしますか」  楽に侵入して目的達成です。  扉を通過する際、何かあっては困るのでいろいろ仕込んでおきました。  ロックがかからないよう詰め物したり、古典的ですがドアストッパーを差し込ん

        • なんでも売買! 街の便利なお店です! 3

           運よくボートは沈没を免れた。  しかし、推力が無くなってしまったので、とりあえず板切れを拾って船をこいでみた。  ただ、まぁ、目的地はだいぶ遠い。だが心配はしてない。なぜなら。 「ヘリの周辺を探せ! ボートを回収後、基地に戻るぞ!」  そうです。敵の部隊です。  回収しに来ますよね。ほっといたら事件ですから。  ヘリが落ちたとか、まぁ、なんか言い訳は出来るでしょうけど。  さすがにボートに死体が乗ってたらマズいですよねぇ。  というか、どこから見てたんですか

        オーサカに異世界召喚された関東人

          なんでも売買! 街の便利なお店です! 2

          「あのー。後どのくらいでつきます?」 「二時間くらいですかねー」  ヘリの中で、パイロットに尋ねた。  凄腕のパイロットということで、夜間飛行もなんのその。会長に空を飛ばしているのだが。 「あのー。ヘリじゃない方が、よかったんじゃ?」 「現地は絶海の孤島なので。戦闘機とかだと、ホバリングも出来ませんし」 「あー。それなら途中空母に降りるとか」 「敵地の近くに空母、持ってくるんですか?」 「正気の沙汰ではない、ですね」 「それと船もダメです。機雷が大量に設置し

          なんでも売買! 街の便利なお店です! 2

          なんでも売買! 街の便利なお店です!

          「こんばんわ、いらっしゃいませ」  店を開けると、すぐに客が入ってくる。  ここは町の便利屋。もとい「何でも屋」だ。必要とあらばなんでも、どこからでも商品を仕入れてくる。 「すみません。あるかどうか聞きたいんですが」  50代くらいの紳士が、店のドアを開けて入ってきた。 「なんでしょう?」 「愛を探しています」 「お引き取りください」  金を出したら愛を買えるお店のチラシを渡して帰した。  まったく。ここをなんだと思っているのだろうか。 「いやいや、そうい

          なんでも売買! 街の便利なお店です!

          パントマイム

           都会の大通りで、仕立ての良いスーツに帽子をかぶった男の手が、まるで壁に触れているように止まっていた。  何もないはずの空中を叩き、壁に戸惑っているかのようだった。  男は道行く人へ向けて叫んでいるようだったが、何も聞こえない。  通行人はそれを横目に通り過ぎていく。  何人かは興味を持って立ち止まり、男の前に置かれた空き缶へ小銭を入れていく。  そうして幾人も通り過ぎていき日が傾いてきたころ、ピエロの格好をした男が近づいてきた。  ピエロは空き缶を拾い上げると中身を確認し、

          頑張れ俺!

          えーと。 ノートと、ツイッターを連携させて、そんでいっとりん……使い方わかんねぇ! ひゃっはー! 新しいことだ! 覚えてやるぜぇ! とか書いておけばきっとやる。たぶんやる。おそらくやる。さぁ、人生を遊んでみよう。