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ロシア語との出会い

堤 正典 教授 

ある年、テレビでロシア語講座が開始されました。まったくの偶然から、テレビでの講座と同時にすでに放送されていたラジオ講座も聞きだしたのが私とロシア語の出会いです。

当時、ラジオ講座は一年間続き、ロシア語の基本的な文法・語彙を網羅されている内容でした。日本語や英語とずいぶん違っていたところに興味がわきました(あまり他の人にはいないかもしれません)。テレビ・ラジオの講座を数年続けましたが、文字・発音、いくつかの表現は覚えたものの、文法はなかなか覚えきれませんでした。その後、大学ではロシア語専攻課程に入学し、ようやく文法も覚えられました。

それでも、初めて学ぶクラスメートよりは進んでいたのでしょう。ロシア語の文法では変化表がつきものですが、今思えば私は入学前に変化表の「枠組み」は覚えていました。例えば、ロシア語では、日本語でガ・ヲ・ニ・ノなどの格助詞をつける代わりに語尾が変化し、6つの格があります。格変化があり、それぞれの格がどのように使わるかは大体わかっていましたが、個々の変化形までは覚えられていなかったのです。

初めて学ぶ人は、大きく分けて二つのことを覚えなければなりません、①ロシア語には6つの格があり、それぞれの格がどのように使われるかを覚え、②それぞれの格がどのような変化形になるかを覚えるのです。私は①は覚えていたということになり、あとは②を覚えればよかったので、学習は他の人より楽だったわけです。

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このようなロシア語学習の経験もヒントとして、ロシア語教師としての実践に生かしたいと、日ごろ工夫を続けています。


ロシア語との出会い
現代ロシア語の創始者とされるロシア文学の父プーシキン[1799年生-1837年没]の銅像(モスクワ・トヴェルスカヤ通りプーシキン広場)