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監査法人トーマツを退職し、㈱スクリエの副社長になります

2021年11月末で、大学卒業後8年半お世話になった監査法人トーマツを退職し、12月から歯科スタートアップ/㈱スクリエの副社長に就任します。

トーマツ時代にお世話になった皆様、本当にありがとうございました。
個別にご報告ができていない方は、申し訳ありません。

9月末に第2子が誕生し、このタイミングでのスタートアップへの転職を応援してくれた妻には、1番感謝しています。

私事で恐縮ですが、この転職に至った経緯をまとめました。

公認会計士になった理由は消去法

まず、公認会計士になると決めた頃まで戻らせてください。

小学校1年で野球を始め、子供の頃の夢はプロ野球選手(になってアナウンサーと結婚すること)でした。

しかし、高校野球では全く通用せず、頑張って練習したらケガばかり。
それに比べ勉強は得意で、勉強しただけ成績が伸びるのが楽しくて、高校3年の夏が終わった時に勉強で生きていこうと決めました。

村上龍さんの「13歳のハローワーク」など職業の本を読み漁り、難しい資格に挑戦して稼げそうな先生になろうと決め、上から順番に
■虫も触れないから医者は無理
■事件は怖いから弁護士も無理
■公認会計士なら、数字も得意だしいけそう
という消去法で、高校3年の秋に公認会計士になると決めました。

関西で公認会計士を最も多く輩出する神戸大学経営学部に行き、3回生の時に論文式試験に合格しました。

「社長の右腕」を目指そう

大学3回生で公認会計士試験に合格した人は、バイトとして監査法人に入社するのがスタンダードでしたが、私が合格した2011年は急にやってきた会計士就職氷河期()。

国の会計士を増やす計画で2008年・09年に合格者が激増しましたが、これを受け入れた監査法人が経営難になり、リストラし、採用も絞り込んだもの。

バイトをすることはできず、大学4回生は急にヒマになりました。

就職難で監査法人以外に就職する先輩も多くいて、「そもそも監査法人に行きたくて会計士なったワケじゃないしなー」と、迷える子羊状態になりました。考えても、社会人の話を聞いてもよくわからず。

そんな時に長期インターンシップを知り、小さいベンチャー企業で半年間働きました。

社長が「桑理君は公認会計士だから」とインターンの私にも会社経営のことをたくさん教えてくれましたが、試験に受かっただけの知識では実際の経営のことはよくわかりません。

営業もして、経営もするベンチャー社長がカッコ良くて、監査法人に入って経営者の役に立つ会計士=社長の右腕になれるよう勉強しようと決めました。
そして、大学卒業後、監査法人トーマツでお世話になることになりました。

自分は何がしたいのか?

約6年前。監査法人に入って2年半くらい経った頃、困っている社長を助けようとして、転職寸前までいったことがありました。
(その時の関係者の皆様、大変ご迷惑おかけし申し訳ありませんでした。)

父親・先輩、多くの方に、
「困っているのを助けるんだったら、外からでもできる。」
「それはお前のやりたいことか?」
「自分を安売りしてるんじゃないのか?」
と止めて頂き、これは止めた方が良いと思いました。

この時、転職を止めたことが正解だったかは、誰にもわかりません。
しかし、誰かを助けようという気持だけでは、周りの人に応援されないということがわかりました。

例えば「僕は野球が好きだから、野球に関わる仕事をする」だったら、周りの人に応援してもらえるのでしょう。
”社長の右腕”くらいしか考えておらず、自分のやりたいことには向き合っていませんでした。

有難いことにトーマツはやりたいことをさせてもらえる組織だったので、興味のあることはやってみることにしました。
会計監査と並行して、システム監査・ベンチャー企業支援・業務改善プロジェクト・ダイバーシティ活動と、8年半でたくさんの経験・勉強させて頂きました。

良い技術を事業にする経営者に

たくさんのことをさせて頂く中でも、ベンチャー企業支援はとても面白い仕事でした。"社長の右腕"とは言えないまでも、頑張っている社長さんに感謝してもらえると、すごくやりがいを感じます。
「ベンチャーで関西を盛り上げ、関西を地方と言わせない」という、自分の中でしっくりくるテーマもできました。

しかし、段々と自分でベンチャーをやったことが無いのに支援する気持ち悪さを抱えていきました。
また、特に関西は支援者が多いのに対し、起業家がいない。起業家を増やさないと盛り上がらないとも感じていました。

だがしかし、自分に起業家の才能は全くない。
キャッチャータイプの人間です。良いピッチャーがいないと始まらない。

そう思っている時に、良い技術はあるのに経営者がいなくてベンチャーができないという話を複数耳にしました。
良い技術を事業にする経営者っていいな」とボンヤリ思い、関西で良い技術と言えばバイオ・ヘルスケア。この分野を勉強しようと関連するベンチャーを積極的に支援しました。

良い技術を持つアーティストな社長と一緒に

長くなりましたが、ここまでが今回の決断の前置きです。

ベンチャー支援をする中で、㈱スクリエ社長/歯科医師の岡本さんと出会いました。

■高校卒業後、アパレルデザイナーを経て歯学部に進学した異色の経歴
■大学病院の口腔外科医として働きながら、個人で会社を設立し、製品アイディアを特許化
■歯科を良くしたいとアツい想いを持つ

岡本さんが大学病院を辞め、まさにこれから技術を事業にしていくフェーズ

歯科領域も岡本さんの持つ特許も聞けば聞くほど面白いし、お互いの能力は完全に凸凹(岡本さんがアーティストで、私はマネージャー)。でも何となく気が合う。
岡本さんからも誘ってもらい、やらない理由がありませんでした。

ちょうど2人目の子供が産まれることがわかり、タイミングには悩みましたが、子供が産まれた時から有給消化をさせて頂いて転職することで落ち着きました。

ベンチャーとは無縁の妻は、まだサービスの無い会社に入ることは不安だと思いますが、「家のこともやってね」と言うだけでこの転職を応援してくれ、感謝するばかりです。

立場を活かして、やるだけやってみよう

妻が育児に専念してくれているとは言え、3歳と0歳の育児は大変です。
上の子が保育園から帰ってきたら、大人2人、家事に育児に落ち着く間がありません。

1人で仕事に没頭できる経営者さんに比べると、家族がいる分の生活コストも高いし、すごく不利な立場です。
ちなみに、社長も小学生の2人のお子さんがおり、生活コストが高い。

しかし、副社長が「保育園の送迎だ、ご飯だ、フロだ」と毎日言っていたら、スタートアップにしては働きやすい文化になりそうです。これを好んで働いてくれる人もいると思います。

そんなスタートアップはダメだと言う人もいると思いますが、結局求められるのは結果だけ。勝てば官軍。

立場を活かして、やるだけやってみます。

最後まで読んで頂き、ありがとうございましたm(__)m


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