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6・26原子力規制委会見

 2024年6月26日(水)、原子力規制委員会は関西電力大飯原発3,4号機(福井県)の運転開始40年までの管理計画を認可したが、今後は新しい技術的論点が出てこない限り同委員会に諮ることなく原子力規制庁長官決済で認可する方向だと山中伸介委員長は同日の記者会見で述べた。
 同委員会での議論を経なくても技術的な新たな論点がなければ問題はないとの認識を山中委員長は繰り返し示した。
 事務方より、来年6月の新法施行後、昨年度文書管理規定が変更されており、長期管理計画については原則長官専決で処理できるよう規定を改定しており、特段新たな技術的論点なければ今後については長官専決だという。
 記者から「経済産業省出身の同長官の決済で原発の運転期間延長が認められるというのは理解を得られにくいのではないか」との疑問が呈された。
 これに対して山中委員長は「疑義を招くとは考えていないし、審査の中身は公開される・・・長官の出身が経済産業省であることを私自身は問題ないと考えている」と話した。
 今回の大飯原発3,4号機の管理計画認可は昨年5月に決まった運転開始30年後に最長10年ごとに計画を審査する新制度に基づく対応。それによる認可は全国の原発で初めてだ。
 これによって、大飯3号機は2031年12月まで、4号機は2033年2月まで運転出来るようになった。
 今回の認可における新しいポイントとして山中委員長は「技術の旧式化、部品の調達に関することをプラスアルファして審査をした。調達管理の安全上への影響等について審査の中できちんと見て頂いた」と述べた。
 運転期間の延長に伴って審査は厳格化されるのかとの質問に対して、山中委員長は人員増を図る考えを示した。

高浜原発1,2号機の運転延長は?
 今後運転延長が審査される関電高浜原発(福井県)1、2号機はそれぞれ49年目、48年目なので50年目が視野に入ってくるが、これらについても新しい技術的論点が出ない限り、原子力規制庁長官専決で「特段大きな問題はないと考えています」と山中委員長は話した。
 2023年5月の国会で「GX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法」が成立した。
 これによって、それまで最長40年としてきた原発の運転期間を、審査などの停止期間を除くことで、60年を超える運転に事実上道を開いた。電力会社は運転開始30年後、最長10年ごとに管理計画を作って原子力規制委員会の審査を受ける必要があるとされていた。

福島第一原発2号機のデブリ取り出し
 さらに、東京電力福島第一原発2号機の燃料デブリ(溶融した核燃料や原子炉建物の構造物が、混ざり冷えて固まったもの)を早ければ8月にも取り出すことになるが、山中委員長は「まずデブリに接触し、分析をするサンプルをまず取り出してみるというのが第一歩だと思っている」という。
 「これからいろんなところのサンプルを取り出す、いろんな方法を組み合わせて取り出しの方法が検討される、まずその第一段階だと思っている」。
 山中委員長は来週、福島第一原発での現地調査に行く予定で「そういうこところも見てきたいと思っています」と話した。
 その中で楢葉センターでデブリ取り出しに使用することが想定されているロボットアームの視察も予定されているという。
 

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