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映画「ブライアンジョーンズ」

 ローリング・ストーンズの創始者かつ初代リーダーで、奔放なライフスタイルからスウィンギング・ロンドンを象徴する存在だったブライアン・ジョーンズ。しかし、華々しい舞台の裏では悩み深かったブライアン。
 ドラッグに溺れたこともあったのか、自宅のプールの底で見つかったブライアン。享年27。死してなおメディアの容赦ないズームに晒された。
 しかし、今でも多くの人がいうー「ブライアンがもし生きていたら」と。
 そのブライアンの没後55年を記念した映画がやって来た。「ROLLING STONE ブライアン・ジョーンズの生と死」(2020年/スペイン/英語/98分)が新宿 K's cinemaで公開中だ。
 続いて、2月6日(火)には福岡KBCシネマで上映される。


 ブライアンの死は他殺によるもので、その真実は隠蔽されたのだという陰謀説が数多く浮上。そしてそれらに関する数々の証拠も見つかっている。
 今回のドキュメンタリーでもまた、生前のブライアンをよく知る人物たちの声により、その疑惑を掘り下げていく。
 ブライアンはどういう男だったのだろうか。
 音楽評論家・和久井光司氏は「ローリング・ストーンズ完全版」(河出書房新社)の中で次のように記したー「ギターにはこだわらず、多くの楽器をプレイすることでサウンド・プロデューサー的にストーンズに貢献したことはあまりにも有名だが、わかっているだけで5人の子供がいるほどブライアンのセックス・ライフは盛んだった」。
 トップ女優アニタ・パレンバーグとの交際で注目されたこともあった。結局、同僚のキース・リチャードに寝取られてしまうのだが・・・
 サウンド的には「Paint it black(黒く塗れ)」で本格的にシタールを導入して演奏しているのはブライアンだった。


 監督は音楽ドキュメンタリーの名手ダニー・ガルシア。2012年、ザ・クラッシュのバンドの誕生から崩壊までを追ったドキュメンタリー「ザ・ライズ・アンド・フォール・オブ・ザ・クラッシュ」で映画監督デビュー。
 この作品はセンセーショナルな傑作として世界各国で話題を集めた。
 2014年にはニューヨーク・ドールズの伝説的ギタリスト、ジョニー・サンダースの生涯を追ったドキュメンタリー「Looking for Johnny ジョニー・サンダースの軌跡」を発表した。
 今作品は米ビルボード・音楽DVDチャート10位内にランクイン、スウェーデンと日本ではセールス1位を獲得する。
 2016年には各国の映画祭で賞賛されたシドとナンシーのドキュメンタリー「Sad Vacation ザ・ラストデイズ・オブ・シド&ナンシー」が各国で公開された。2019年にはブライアンについての本作と「スティーヴ・ベイター ロックにすべてを捧げた男 その短すぎる生涯」の2作品を続けて発表した。コロナ禍中に完成した作品「ナイトクラビング:マクシズ・カンザス・シティ」は2023年に日本で公開された。
 最新作はアーティストたちに愛されるチェルシー・ホテルの謎に迫ったドキュメンタリー「Ghosts of the Chelsea Hotel」。


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