見出し画像

映画「ニッポンのみせものやさん」

 最近は見世物小屋を見なくなった。昔は町から町へと移動する一座がいて、お祭りや縁日の場で見世物を披露していた。古典的芸能のオンパレード・ショーだった。それが今消え去ろうとしている。
 へび女、人間ポンプ、タコ娘、ロクロ首、オートバイサーカス・・・最盛期には数百軒を数えたという見世物小屋。その最後の一軒といわれているのが大寅興行社だ。普段は垣間見ることが出来ない見世物小屋一座の生活と歴史を見つめる映画がアンコール上映される。
 ドキュメンタリー映画「ニッポンのみせものやさん」(2012年/90分/配給:スリーピン)が2023年12月30日(土)から2024年1月9日(金)まで新宿K's cinemaにてアンコール上映される。
 ただし、1月1日元旦は休映となる。


 監督は、「ソレイユのこどもたち」で山形国際ドキュメンタリー映画祭2011アジア千波万波部門・特別賞を受賞した奥谷洋一郎。
 奥谷はお化け屋敷でのアルバイトをきっかけに、見世物小屋一座と出会い、共に旅するようになっていく。北海道から九州、日本を縦断するなかで見つめる、一座の暮らしと人情、そして10年にわたる交流から滲み出る、一瞬の人生の輝きを見つめる。
 明治以降に現代の見世物小屋のスタイルが確立され、神社のお祭りや縁日などで、仮設小屋を建てて巡業して各地を回り、テレビが普及する以前には大衆娯楽として幅広く受け入れられていた。


 全盛期の江戸後期には見世物小屋は全国で300軒あったが、1950年代末には48軒、1980年代後半には7軒へと減少し、2010年以降は大寅興行社1軒のみとなっている。
 奥谷監督は1978年、岐阜県中津川生まれ。東京で育った。映画美学校ドキュメンタリー・コース研究科修了。映画作家の佐藤貢、筒井武文に師事。大学生の時に出会った見世物小屋一座、大寅興行社との交流のなかでj初の長編ドキュメンタリー映画「ニッポンのみせものごや」を制作した。
 連日、午前10時からの1回のみの上映となる。料金は一般1500円、大高1300円、中小・シニア1200円。
 12月30日(土)の上映後に奥谷監督のティーチインを開催予定。
 また一般の自主上映をも募集中。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?